神戸移住センター

神戸移住センターの歴史と背景

神戸移住センターは、兵庫県神戸市に位置した外務省管轄の施設で、主に国内外の移住に関する支援を行っていました。この施設の起源は1928年にさかのぼります。最初はブラジル移民の保護と教養を目的とした国立神戸移民収容所として設立され、その後、大きな役割を果たしました。また、この移民収容所は、著名な作家・石川達三の小説『蒼氓』の舞台としても知られています。

移住センターの変遷

設立当初の国立神戸移民収容所は、国の内務省が管理しており、移民の生活を支援するために様々な施設が整っていました。1932年には「神戸移住教養所」と名称が変更されましたが、太平洋戦争の勃発により1941年に一時閉鎖されました。戦後は、1952年に外務省の「神戸移住斡旋所」として復活を遂げます。しかし、1956年に新たに開設された「横浜移住斡旋所」により移住者が横浜を経由することが増え、次第に神戸の役割は縮小していきました。

1971年には、最後の南米移住船「ぶらじる丸」が出港したのを機に、神戸移住センターは閉館しました。これに続き、1972年から1994年の間は神戸市医師会の准看護婦学校として利用され、新たな役割を果たしました。1995年、阪神・淡路大震災が発生した際は、空きビルとして放置されていましたが、震災後の1999年まで被災した神戸海洋気象台の一時的な拠点として使用されました。

その後、2009年からは神戸市立海外移住と文化の交流センターとして再利用され、文化交流や移住関連の活動が行われています。

建築と設計

神戸移住センターの建物は、設立当初から600床の収容能力を持ち、食堂や医務室、講堂などを備えていました。外観は外航船をイメージしたデザインとなっており、建物の一部は5階建てです。設計を担当したのは著名な建築家・置塩章で、開設当初からその独特なデザインが評価されています。

沿革のまとめ

• - 1928年: 国立移民収容所開所
• - 1932年: 神戸移住教養所に改称
• - 1941年: 一時閉鎖
• - 1952年: 神戸移住斡旋所として再開
• - 1964年: 神戸移住センターに改称
• - 1971年: 終了

このように長い歴史を持つ神戸移住センターは、移民や文化交流における重要な拠点としての役割を果たし続けています。

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