神戸第一高等学校

神戸第一高等学校は、兵庫県神戸市中央区葺合町に位置する私立高校です。その歴史は1913年（大正2年）に開校した私立神戸女子高等技芸学校に遡ります。その後、時代の変化に合わせて校名を変更し、太平洋戦争中の1944年（昭和19年）には塩原学園神戸女子商業学校に転換しました。戦後の学制改革により塩原女子家庭高等学校となり、1958年（昭和33年）には普通科を設置して神戸塩原女子高等学校と改称するなど、女子教育を中心に発展してきました。

しかし、少子化による生徒数減少に対応するため、2000年度（平成12年）に男女共学制へ移行。これを機に校名を「スバルが丘学園・神戸第一高等学校」と改め、新たなスタートを切りました。学校法人名も、2021年（令和3年）には「学校法人スバルが丘岸本学園」に改称しています。現在、神戸市内だけでなく、明石市や姫路市、南あわじ市など、兵庫県内各地からの生徒が集まっています。

教育面における大きな特徴として、完全週5日制を採用している点が挙げられます。生徒一人ひとりが明確な目標を持ち、自ら学ぶ意欲を育むため、在学中に様々な分野の資格取得を積極的に奨励しています。また、学業だけでなく、ボランティア活動やスポーツ、文化芸術活動といった多様な活動も重視し、生徒の全人的な成長を評価する体制を整えています。国際的な視野を広げる機会として、ハワイ大学マノア校やオレゴン州立大学での語学研修制度も用意されており、生徒の希望に応じて参加が可能です。さらに、優れた活動や功績を表彰する制度（スバルが丘賞、新潮賞、渦潮賞）を設け、生徒の努力を称えています。

学校施設は、山の地形に合わせて配置されており、情報処理、調理、介護など、各専門分野に対応した実習室が完備されています。校舎は一つの敷地にまとまっているのではなく、公道に面して点在しているため、校舎間の移動には公道を利用するユニークな環境です。

現在の設置学科・コースは多岐にわたり、普通コース、スポーツコース、ビジネスコース、システム情報コース、ファッションデザインコース、保育・福祉コース、調理師コース、製菓衛生師コースがあります。全てのコースにおいて、それぞれの専門分野やキャリアパスに応じた資格取得のためのカリキュラムが組まれています。放課後には、各種資格試験合格に向けた補習・対策講座が行われており、生徒の資格取得を強力にバックアップしています。

取得可能な資格は非常に豊富です。普通コースでは漢字検定や英語検定など基礎学力の証明となる資格、専門コースでは、調理師、製菓衛生師の受験資格、介護福祉士、ITパスポート、基本情報技術者試験、宅地建物取引士といった国家資格から、簿記検定、商業経済検定、情報処理検定、秘書技能検定など、ビジネスや情報処理、福祉、調理・製菓分野における多種多様な資格取得を目指すことができます。

卒業生の進路も多様で、これまでに培った知識や資格を活かし、一流企業への就職や、社会人入試制度を利用して国公立大学へ進学した実績もあります。過去には一橋大学や滋賀大学、香川大学などへの進学者や、神戸製鋼所、旧住友金属工業といった企業への就職者も輩出しています。

部活動も盛んで、運動部ではボクシング部、陸上競技部、空手道部が全国レベルの大会で活躍しており、インターハイや国体への出場経験があります。過去には女子サッカー部が全国大会で準優勝した実績もあります。文化部も活動しており、それぞれの分野で生徒が日々技術や知識を磨いています。学外のコンテストや作文コンクールなどでも受賞実績があり、学業・部活動ともに活発な学校生活が送られています。

学校へのアクセスは、神戸市営地下鉄や山陽新幹線の新神戸駅から徒歩約10分と比較的便利な場所にあります。

神戸第一高等学校は、伝統を大切にしながらも時代のニーズに合わせて進化を続け、完全週5日制や豊富な資格取得支援、多様なコース設置を通じて、生徒一人ひとりの個性や可能性を最大限に引き出し、それぞれの夢や目標の実現をサポートしている学校です。

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