葺合町

葺合町:神戸の静かな山里



神戸市中央に位置する葺合町は、651-0058の郵便番号を持つ、穏やかな山里の町です。市街化調整域、文化環境保存域に指定されており、緑豊かな山々に囲まれた静かな環境が特徴です。住宅は山間部に点在し、都会の喧騒から離れた落ち着いた生活を送ることができます。

地理と歴史



葺合町は、旧葺合北部の山岳地帯に位置しています。東は灘、南は中央の中島通や熊内町、西は神戸港地方、北は北と接しています。住居表示は未実施で、キイキ谷やヒジリ谷など、古くからの地名(小字名)が多数残されています。これらの小字名は、古代から勢力を誇った滝勝寺や中世の山城・滝山城といった歴史に深く関わっていると言われています。

町のシンボルともいえる世継山や、古くから和歌に詠まれてきた名勝・布引の滝もこの町にあります。また、生田神社が祀られていたと伝えられる砂山(いさごやま、別名・丸山)からは、弥生時代中期の土器が発掘されており、この地域の高地性集落の様子が伺えます。発掘された遺物は、祭祀遺物よりも生活遺物が圧倒的に多く、当時の人々の生活を知る上で貴重な資料となっています。

1899年(明治32年)、大字葺合(旧葺合村域)のうち、画整理が進んでいなかった新生田川以東に葺合町が設置されました。その後、平野部は市街化が進み、新しい町名が付けられたことで、現在の葺合町は山岳部のみとなりました。


経済と産業



葺合町には、ゲームソフト制作やオンラインゲーム企画などを手掛ける魔法株式会社の神戸本社があります。他にも、かつては神戸畜産や神戸屠畜といった企業が存在していました。また、薬種商の山村善三郎や地主横山保太郎など、様々な人物が葺合町の経済発展に貢献してきました。


教育・地域施設



葺合町には、神戸第一高等学校の他、市立小中学校があります。また、布引ハーブ園や布引五本松ダムといった自然豊かな施設に加え、徳光院市民公園や布引公園など、緑あふれる憩いの場も整備されています。宗教施設としては、徳光院(臨済宗)、雷声寺(融通念仏宗)、法徳寺(単立)などがあります。


交通アクセス



町内には神戸市営地下鉄北神線が通っており、神戸布引ロープウェイも利用可能です。風の丘中間駅とハーブ園山頂駅が町内に設置されています。バス路線も整備されており、周辺地域とのアクセスも良好です。阪神高速32号新神戸トンネルや山麓バイパスも近くを通っています。


著名な人物



葺合町には、地理学者で神戸高商教授を務めた石橋五郎氏をはじめ、資産家の右近福次郎氏、サッカー選手の右近徳太郎氏など、様々な分野で活躍した人物がゆかりがあります。

まとめ



葺合町は、豊かな自然と歴史、そして現代的な生活が調和した、魅力的な町です。静かで落ち着いた環境を求める人々にとって、理想的な居住地と言えるでしょう。 神戸市内でありながら、自然に囲まれた静けさを享受できる希少なエリアです。その歴史的背景や自然環境、そして近年の発展を理解することで、葺合町の真の魅力がより一層理解できることでしょう。

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