神楽河岸

神楽河岸（かぐらがし）

神楽河岸は、東京都新宿区に存在する町名で、住居表示が実施された単独町名です。丁目による区分はありません。この地域は、飯田橋駅の西側に位置し、非常に狭い範囲で構成されています。

地理

神楽河岸のほぼ全域は、東京都飯田橋庁舎（事務棟）によって占められています。かつてこの場所には、江戸城の外濠であった飯田濠（いいだぼり）がありました。地名の由来は、この飯田濠に設けられていた神楽河岸という荷揚げ場にあります。飯田濠は埋め立てられ、その跡地には再開発によって駅ビル「飯田橋セントラルプラザ」が建設されました。このビルは、新宿区と千代田区の両区にまたがっています。

飯田橋セントラルプラザは、飯田橋駅と直結しており、ビルの下層階（1・2階）はショッピング街「飯田橋ラムラ（RAMLA）」として親しまれています。上層階には、東京都飯田橋庁舎（事務棟）と住宅棟が設けられています。このうち、事務棟は新宿区に、住宅棟は千代田区に属しており、住宅棟の居住者は神楽河岸の人口には含まれません。また、建物内の区境には「区境（くざかい）ホール」というスペースがあり、大きなステンドグラスが設置されています。「飯田橋ラムラ」の住所は神楽河岸1-1です。

歴史

飯田濠には、神楽河岸という荷揚げ場があり、その名称が地名にもなりました。この荷揚げ場は、第二次世界大戦後もしばらくの間利用されていました。隣接する新宿区の揚場町という地名も、この荷揚げ場に由来しています。しかし、1970年代以降、水質汚濁などの環境悪化が進み、飯田濠は埋め立てられ、再開発されることになりました。

1983年8月6日、飯田濠の埋め立てと再開発に伴い、千代田区と新宿区の境界線が変更されました。この変更は、両区の面積が変わらないよう、千代田区飯田橋四丁目の一部と新宿区神楽河岸の一部を等面積で交換する形で行われました。従来は濠の中央が境界線でしたが、変更後は濠跡の南側が新宿区神楽河岸、北側が千代田区飯田橋となりました。これにより、飯田橋セントラルプラザの2つの建物は、事務棟が新宿区、住宅棟が千代田区にそれぞれ属することになりました。

1988年2月15日には、近隣の揚場町などとともに住居表示が実施され、その後も旧来の町名が残されています。

飯田濠の埋め立てと暗渠化に対しては、反対運動も起こりました。地元の材木店が中心となり、テントが張られたり、歌手の加藤登紀子さんが保存運動を応援に駆けつけたりしました。近年では、今後の再開発計画に、かつての飯田濠の水辺環境を再生する「飯田橋神楽坂水辺再生構想」も提案されています。

学区

区立の小・中学校に通学する場合、学区は以下の通りです（2018年8月時点）。

小学校: 新宿区立津久戸小学校
中学校: 新宿区立牛込第三中学校

事業所

2021年（令和3年）の経済センサス調査によると、神楽河岸の事業所数と従業員数は以下の通りです。

事業所数: 42事業所
従業員数: 1,116人

その他

郵便番号: 162-0823 (集配局: 牛込郵便局)

関連情報

外濠 (東京都)#飯田濠#%E9%A3%AF%E7%94%B0%E5%A0%8D)
牛込 / 牛込区
揚場町
河岸
神楽坂
飯田橋駅

外部リンク

RAMLA 飯田橋ラムラ
* 新宿区

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