神浦元彰

神浦元彰（かみうら もとあき）

プロフィール

神浦元彰は、1949年7月7日に広島県世羅郡世羅西町（現在の世羅町）で生まれ、2016年5月4日に肝臓がんで亡くなった日本の軍事ジャーナリストです。被爆二世という背景を持ち、その経験が彼の軍事問題への関心を深める一因となりました。

経歴

広島県立世羅高等学校を中退後、陸上自衛隊少年工科学校に進むも中退。その後、広島県立広島国泰寺高等学校定時制を卒業しました。写真専門学校を中退した後は、報道カメラマンとして活動し、1977年に小山内宏らと共に軍事学セミナーを発足させました。その後、『週刊プレイボーイ』誌などで軍事ジャーナリストとしての活動を開始し、独自の視点から軍事問題に切り込みました。

2004年4月から2005年3月にかけては、ニッポン放送のラジオ番組『HOT'n HOT お気に入りに追加!』に木曜パートナーとして出演するなど、メディアでも活躍しました。また、手製爆弾や改造エアソフトガンといった新種の犯罪についても積極的にコメントを寄せていました。

趣味はヨットとマラソンで、2007年にはホノルル[[マラソン]]を完走しています。

軍事ジャーナリストとしての活動

神浦元彰は、自衛隊内部の情報にも詳しく、その経験を活かした分析が特徴でした。関係企業との癒着が有名だった空将を尾行取材中に、航空自衛隊の調査隊（現情報保全隊）と鉢合わせしたエピソードは、彼のジャーナリストとしての姿勢を象徴しています。

別冊宝島の『裸の自衛隊』が刊行された際には、その赤裸々な内容から現職自衛官からの批判を予想しましたが、実際には「正しく現実そのままだ」「俺の部隊にもこんな馬鹿がいるから取材してくれ」といった激励の手紙が殺到したというエピソードもあります。

彼の発言には、以下のようなものがあります。

「私は戦争がないときは基本的にヒマですね」
「我が子とはいえこれほど受験勉強をしないとは驚きでした」
「クラスター爆弾の一種との分析したのは、100点満点のうちの25点、 手榴弾と分析したのは5点です。 いい加減な軍事解説は詐欺です。軍事知識を甘く見ないでください。」
「今までに私が間違えたことを書いてしまったこともあり、そういったことへの皆さんからのご指摘やご批判をいただくことがあります。でも、そういったメールは「Reメールにお返事」というページ内でまっさきに掲載しています。それらは私が今まで考えてきたことへの記録であるので、間違えたコラムに関しても訂正はしますが削除はしません。その間違いに気付くことによって、軍事の勉強をしている人たちが、私を踏み台にしてステップアップしていってもらえればと思ってます」

これらの発言からも、彼の軍事問題に対する真摯な姿勢と、独自の視点がうかがえます。

著書

単著

『日本の最も危険な日』（青春出版社、1979年）
『これが自衛隊の実力だ』（アイペックプレス、1990年）
『北朝鮮最後の謀略』（二見書房、1994年）
『北朝鮮「最終戦争」――99の極秘情報』（二見書房、1999年）
『北朝鮮消滅』（イーストプレス、2003年）

共著

（アジア軍事分析グループ）『アジア有事 七つの戦争』（二見書房、1996年）

監修

（別冊宝島編集部）『裸の自衛隊』（宝島社、1991年／宝島社文庫、1999年）
（アーネスト・ヴォルクマン／茂木健訳）『戦争の科学――古代投石器からハイテク・軍事革命にいたる兵器と戦争の歴史』（主婦の友社、2003年）
『面白いほどよくわかる世界の軍隊と兵器――アメリカの世界支配と各国の勢力図を読む』（日本文芸社、2005年）

連載

『オレに言わせろ!』（イカロス出版月刊『Jウイング』内）

神浦元彰は、その独自の視点と鋭い分析力で、日本の軍事ジャーナリズムに大きな足跡を残しました。

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