神社制度調査会

神社制度調査会は、昭和初期に設置された内務大臣の諮問機関です。その目的は、神社制度に関する重要事項を調査審議し、必要に応じて関係各大臣に建議を行うことにありました。ここでは、神社制度調査会の概要、組織、活動、そしてその終焉について解説します。

概要

神社制度調査会は、昭和4年12月9日に公布・施行された神社制度調査会官制（昭和4年勅令第347号）に基づき設置されました。当時の社会情勢や宗教政策を背景に、神社制度のあり方を検討し、国家と神社の関係を明確化することが期待されていました。

組織

調査会は、会長1名、委員30名以内で構成されていました。特別な事項を審議する必要がある場合には、臨時委員を置くこともできました。会長は内務大臣の奏請により勅命によって任命され、委員および臨時委員は内務大臣の奏請により内閣において任命されました。会長は会務を総理し、会長に事故があるときは内務大臣が指名する委員がその職務を代理しました。また、事務を処理するために、若干名の幹事が内務大臣の奏請によって内閣において任命され、会長の指揮のもと庶務を整理しました。さらに、書記が内務大臣によって任命され、会長および幹事の指揮のもと庶務に従事しました。

活動

昭和4年12月17日には、第1回総会が開会されました。初代会長には山川健次郎、初代特別委員長には江木千之が就任し、神社制度に関する様々な議題について審議が行われました。具体的な審議内容としては、神社の定義、神職の資格、神社の財政、国家神道における神社の役割などが挙げられます。これらの審議を通じて、神社制度の近代化と国家による管理体制の強化が図られました。

廃止

神社制度調査会は、昭和21年2月に、行政整理実施ノ為ニスル内務省官制中改正等ノ件（昭和21年勅令第59号）により、神祇院などと共に廃止されました。これは、第二次世界大戦後のGHQ（連合国軍最高司令官総司令部）による占領政策の一環として行われたもので、国家神道の解体と政教分離の原則に基づき、国家による宗教統制の排除が目的でした。神社制度調査会の廃止は、戦後の日本の宗教界に大きな影響を与え、新たな宗教制度の確立へと繋がりました。

関連項目

* 宗教制度調査会

神社制度調査会は、短期間ではありましたが、日本の神社制度に大きな影響を与えた機関でした。その活動は、日本の宗教史を理解する上で重要な要素となっています。

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