神秘の丘

「神秘の丘」（Running Up That Hill）は、ケイト・ブッシュが1985年に発表したアルバム『愛のかたち』（Hounds of Love）に収録された楽曲です。一部のリリースでは「Running Up That Hill (A Deal With God)」というタイトルでも知られています。

この曲は、1983年にブッシュ自身のホームスタジオで録音されました。フェアライトCMI、ヤマハCP-80、リンドラムといった当時の最先端の機材が使用され、独特のサウンドを作り上げています。ブッシュ自身がプロデュースを手掛け、彼女の音楽的な才能が発揮された作品と言えるでしょう。

1985年にシングルカットされると、全英シングルチャート（Music Week）で3位を記録し、その音楽性の高さが評価されました。しかし、リリース当時はそこまで大きなヒットには至りませんでした。

しかし、2022年、Netflixの人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン4で使用されたことで、「神秘の丘」は再び注目を集めることになります。ドラマの中で重要なシーンで使用されたことで、若年層を中心に大きな話題となり、世界的なリバイバルヒットとなりました。

その結果、2022年7月30日付けの全米シングルチャート（ビルボードHot100）で3位を記録。さらに、本国イギリスでは、2022年6月17日付けの全英シングルチャートで1位を獲得しました。これは、1978年にリリースされたシングル「嵐が丘」（Wuthering Heights）以来の首位であり、40年以上の時を経て再びチャートの頂点に立ったことになります。

この曲は、発表から長い年月を経ても色褪せない普遍的な魅力を持つことが証明されました。また、ドラマとの相乗効果により、新たなファン層を獲得し、ケイト・ブッシュの音楽が次世代へと受け継がれるきっかけにもなりました。

「神秘の丘」は、ケイト・ブッシュのキャリアの中でも特に重要な楽曲の一つであり、彼女の音楽性が時代を超えて愛されることを示す象徴的な例と言えるでしょう。

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