神童 (映画)

映画『神童』解説

『神童』は、さそうあきらの同名漫画を原作とした、2007年公開の日本映画です。クラシック音楽をテーマに、天才少女ピアニストとうだつの上がらない音大浪人生の交流を描いています。

あらすじ

幼い頃から「神童」と呼ばれ、周囲の期待を一身に背負ってきた天才ピアニストの成瀬うた。しかし、過度な期待と制約の中で、自分が本当にピアノを愛しているのか分からなくなってしまいます。一方、菊名和音（ワオ）は、音大合格を目指すも才能に恵まれず、挫折寸前の浪人生。そんな二人が偶然出会い、うたはワオにピアノを教えることになります。

レッスンを通じて、うたは音楽の楽しさを再発見し、ワオは音楽に対する情熱を取り戻していきます。しかし、うたはメニエール病を発症し、一時的に聴力を失ってしまうという試練に見舞われます。それでも彼女は、音楽そのものを受け入れ、自らの才能と向き合っていくことを決意します。

キャスト

成瀬うた：成海璃子
菊名和音（ワオ）：松山ケンイチ
相原こずえ：三浦友理枝
成瀬美香：手塚理美
長崎和夫：甲本雅裕
御木柴薫：串田和美
成瀬光一郎：西島秀俊

スタッフ

監督：萩生田宏治
脚本：向井康介
原作：さそうあきら
音楽：ハトリ・ミホ、ミト（クラムボン）

映画の特徴

音楽：クラシック音楽が重要な要素であり、ベートーヴェン、モーツァルトなどの名曲が劇中で演奏されます。特に、成海璃子演じるうたが演奏するモーツァルトのピアノ協奏曲第20番は、聴きどころの一つです。演奏は、当時12歳であった和久井冬麦が担当。
キャスティング：主演の成海璃子は、天才少女ピアニスト役を見事に演じきり、その演技力が高く評価されました。また、松山ケンイチは、不器用ながらも音楽への情熱を秘めた浪人生役を好演しています。
ストーリー：音楽を通じた人間関係や成長が丁寧に描かれており、観る人の心に深く響く作品となっています。また、音楽の才能とは何か、音楽を愛するとはどういうことか、といったテーマも考えさせられます。

制作の裏側

プロデューサーは、成海璃子を「普通の13歳に見えない。神童のイメージにぴったり」と評しました。
萩生田監督は、映画制作のためにピアノを習い始めたそうです。
* 原作者のさそうあきらは、栄光音楽大学入学試験のシーンにカメオ出演しています。

その他

映画『神童』は、音楽の美しさ、人間関係の温かさ、そして成長の物語が詰まった作品です。クラシック音楽ファンはもちろん、音楽に興味がない人でも楽しめるでしょう。ぜひ一度、鑑賞してみてください。

もう一度検索