神道事務局

神道事務局とは

神道事務局は、明治時代に存在した神道界の中心的機関です。1875年（明治8年）に創設され、大教院の解散に伴い、その役割を引き継ぐ形で設立されました。当時の明治政府は、神道を国家の基盤として重視し、全国の神道勢力をまとめ上げる必要がありました。神道事務局は、そのための半官半民的な組織として機能しました。

設立の背景

明治初期、政府は神仏合同布教を推進していましたが、1875年（明治8年）4月にはその政策を廃止。それに伴い、神道と仏教の両方を管轄していた教部省も、神道部門を分離する動きとなりました。同年5月には大教院が解散することになり、神道界は自立した組織を必要としました。このような状況下で、神道事務局は神道界の自主性を確立し、政府との連携を図るための機関として誕生しました。

主な活動

神道事務局は、全国の神道諸派を объединительный し、神官や教導職といった神職者の教育・養成に力を入れました。生徒寮を設置し、神道に関する知識や技能を習得させることで、神職の質の向上を目指しました。また、一定の条件を満たす団体を教派神道として認定する役割も担っていました。これにより、神道界の秩序を保ち、各教派の活動をサポートしました。

組織改編と名称変更

1886年（明治19年）には、神道事務局は神道本局へと組織を改編し、自らも教派神道の一派となりました。この改編により、神道本局はより独立性を高め、宗教団体としての性格を強めました。その後、1940年（昭和15年）には、現在の神道大教へと名称を変更し、現在に至ります。

神道界の内紛

神道事務局の時代には、祭神を巡って神道界内部で激しい対立がありました。特に、伊勢派と出雲派の対立は深刻で、1880年（明治13年）には大きな問題となりました。この対立を収めるため、1881年（明治14年）に内務省が勅令で神道大会議を招集し、宮中所斎の神霊を祭神とすることで決着しました。

その他の出来事

1881年（明治14年）には、有栖川宮幟仁親王が総裁に、岩下方平が副総裁に就任しました。1882年（明治15年）には、神道事務局生徒寮を独立させ、皇典講究所を開設しました。1885年（明治18年）には、稲葉正邦が初代管長に就任しました。これらの出来事は、神道事務局の組織運営や人材育成に大きな影響を与えました。

神道十三派

1912年（明治45年）には、いわゆる「神道十三派」が揃い、「連合会」が発足しました。これは、神道界がより結束を強め、社会的な影響力を高めるための動きでした。

現在

神道事務局は、その名称と組織を変えながらも、日本の神道界において重要な役割を果たしてきました。現在の神道大教も、その歴史と伝統を受け継ぎ、神道の教義の普及や信者の育成に努めています。

関連項目

大教院
神道大教
教導職
教派神道

外部リンク

* 神道大教

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