神鉄食彩館

神鉄食彩館：地域に根付くスーパーマーケットの歴史

神鉄食彩館は、神戸電鉄グループの株式会社神鉄エンタープライズが運営するスーパーマーケットチェーンです。その歴史は、1973年、神戸電気鉄道（現：神戸電鉄）、阪急電鉄（現：阪急阪神ホールディングス）、阪急百貨店（現：エイチ・ツー・オー リテイリング）の3社による共同出資で設立された会社にまで遡ります。当初は「神鉄一番街」ブランドで、神戸電鉄沿線を中心に店舗展開を進めました。

初期の店舗は、レストランや書籍コーナーなどを備えたターミナル型店舗でしたが、その後は食料品をメインとした小型店を積極的に出店。1988年には6店舗目となる谷上店をオープンするまでに成長しました。この頃には、神鉄グループにおいて重要な役割を担う企業へと発展し、サンテレビジョンのニュース番組提供なども開始しています。

1990年代後半からは、新たなブランド「食彩館」への転換を進めます。2002年、神鉄一番街北鈴店を神鉄食彩館北鈴店へ転換したのを皮切りに、順次ブランド変更を行い、約30年に渡って親しまれてきた「神鉄一番街」ブランドは歴史の幕を閉じました。

2000年代に入ると、郊外型の大型店舗の出店も開始。2003年には西鈴神鉄ビル内に神鉄一番街西鈴店（現：神鉄食彩館西鈴店）をオープンさせました。その後も岡場店（2005年）、KITCHEN STATION明石西店（2008年）、食彩館ぷち（2010年）、落合店（2013年）など、積極的に店舗網を拡大しました。

地域密着型のスーパーマーケットとして、神鉄食彩館は様々な取り組みを行っています。2012年には「神鉄食彩館会員カード」を導入し、ポイント制度を開始。さらに「朝市」などのイベントも開催することで、顧客との繋がりを強化しています。イメージキャラクター「しんちゃん」を起用したお買い物バッグの販売や、LINEを活用した情報配信サービスなども展開。2018年には電子マネー機能付きの「しんちゃんカード」も導入しました。

2009年以降は神戸電鉄の完全子会社となり、2014年には神戸電鉄から食品スーパー事業を完全に移管されました。

神鉄食彩館新開地店（旧：神鉄一番街本店）

1975年7月、神戸電鉄創立50周年記念事業として建設された神鉄ビルの地下2階から地上7階にオープンしました。当初は、地下2階に食料品、地下1階に贈答品などを配置するなど、デパートのような形態でした。地上階には、化粧品、ファッション、雑貨、書籍、レストラン、結婚式場なども入居し、まさに地域の中核的な商業施設として機能していました。しかし、1995年の阪神・淡路大震災で神鉄ビルが被災し、長期間の休業を余儀なくされました。

震災からの復興を経て、1997年9月、新ブランド「食彩館」として再開業。規模は大幅に縮小されましたが、地域住民にとって貴重なスーパーマーケットとして営業を続けています。

その他の店舗

神鉄食彩館は、新開地店以外にも、北鈴店、谷上店、西鈴店など、複数の店舗を展開しています。それぞれの店舗は、地域特性に合わせて営業形態を工夫しています。

その他の事業

神鉄エンタープライズは、スーパーマーケット事業以外にも、不動産事業、資材販売業、駐車場業なども展開しています。北鈴蘭台の住宅開発や、モエットブランドの洋食店、うどんそば処「有馬」の運営なども行っていました。

神鉄食彩館は、神戸電鉄グループの一員として、地域社会に貢献し続けているスーパーマーケットです。これからも地域住民の生活に寄り添い、発展を続けることが期待されています。

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