祭畤大橋

祭畤大橋（まつるべおおはし）

祭畤大橋は、岩手県一関市内に位置する国道342号の橋であり、磐井川の支流である鬼越沢に架かっています。この橋は、過去に発生した地震による崩壊と、その後の復興の歴史を持つことで知られています。

初代 祭畤大橋

1978年に完成した初代の祭畤大橋は、全長94m、幅9mの鋼製桁橋でした。しかし、2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震によって、この橋は崩壊するという悲劇に見舞われました。

当初、この橋には耐震設計が施されていたため、崩壊は想定外であり、その原因究明が急がれました。手抜き工事や設計ミスといった疑惑も浮上しましたが、その後の詳細な調査の結果、橋脚の地盤そのものが約11mにわたって地すべり性の移動を起こしたことが、崩壊の直接的な原因であることが判明しました。

崩壊した初代の橋は、その後、新たな橋が建設された後も「災害遺構」として保存されることになりました。橋の周辺は「祭畤被災地展望の丘」として整備され、公園として一般に公開されています。隣接する木道からは、崩壊した橋の姿を間近に見学することができます。

2代目 祭畤大橋

初代の橋の崩壊後、その上流約150mの位置に新たな橋が建設されました。これが2代目の祭畤大橋で、全長は115mです。新たな取り付け道路も整備され、2010年12月18日から供用が開始されました。

2代目の橋の建設期間中には、初代と2代目の橋の中間地点付近に仮橋が設置されました。この仮橋は、長さ94m、幅5mで、2008年11月30日から供用が開始され、新しい橋が完成するまでの間、交通を支える重要な役割を果たしました。

祭畤橋（旧橋）

初代の祭畤大橋が建設される以前には、「祭畤橋」という鉄製アーチ橋が用いられていました。この橋は、仮橋と2代目の橋の間に、2022年現在も現存しています。ただし、取り付け道がないため、現在は通行することはできません。

アクセス

祭畤大橋に隣接する「祭畤被災地展望の丘」へのアクセスは、以下の通りです。

路線バス: 岩手県交通須川温泉線を利用し、「ぶなの森まつるべ館前」（一関駅前から約60分）で下車後、徒歩5分です。
車: 東北自動車道の一関ICから車で約30分です。

祭畤大橋は、地震の教訓を伝える貴重な遺構であるとともに、地域の復興の象徴として、多くの人々に訪れられています。

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