禁断の肉体改造

禁断の肉体改造：球界を揺るがした暴露本の全貌

『禁断の肉体改造』は、元メジャーリーガー、ホセ・カンセコが2005年に発表した自伝。現役時代の自身やチームメイトのステロイド使用を暴露し、球界に激震をもたらした。

ステロイド告白

本書は、カンセコの半生を綴った自伝であり、ステロイドに関する記述が中心。マーク・マグワイア、ジェイソン・ジアンビ、ラファエル・パルメイロといった名選手たちの実名を挙げ、彼らがステロイドを使用しているのを目撃したと証言している。この暴露は大きな波紋を呼び、MLBのドーピング問題に改めて光を当てることになった。

カンセコは、2003年に自身がドーピング検査で陽性反応を示したことについて、MLBが世間からの批判をかわすために、自身を「ステロイドの首魁」としてスケープゴートにしたと主張している。

彼はまた、適切な医療知識のもと、専門医師の管理下で適量のステロイドを使用すれば安全かつ有益であり、野球をよりエキサイティングなものにすると主張。自身がアンチエイジング効果を得て肉体を若返らせるために使用していたことを明かしている。

ステロイド以外の暴露

本書では、ステロイドに関する記述以外にも、カンセコの私生活におけるスキャンダルが暴露されている。

マドンナとの不倫関係
元妻の車に故意に追突した疑惑

また、ロジャー・クレメンスを「浮気をしない愛妻家」と評しているが、実際には出版の3年後、クレメンスと歌手ミンディ・マクレディとの不倫関係が発覚している。

さらに、審判と親密な関係を築き、有利な判定を得ていた投手が存在すること、自身がメジャー昇格時に、多くの選手が興奮剤「グリーニー」を使用していたことなどを暴露している。

40ヤード走の記録

カンセコは、40ヤード走を3.9秒でクリアしたと主張している。もし事実であれば、これは世界最速記録を上回る驚異的な記録となる。

本書の影響

『禁断の肉体改造』は、MLBのドーピング問題に大きな影響を与え、その後の調査や対策強化につながった。しかし、カンセコの証言には反論や疑問も多く、彼の評価は賛否両論に分かれている。球界のタブーに切り込んだ暴露本として、その影響は大きい。

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