福井県道156号佐野山岸線

福井県道156号佐野山岸線：観光と災害リスクが交錯する路線

福井県道156号佐野山岸線は、福井県福井市佐野町を起点として、同県坂井市三国町新保に至る一般県道です。国道305号と国道416号を繋ぐ役割を担うと位置付けられていますが、実際には両国道が福井市内ですでに接続しているため、近道としての利用が主となっています。

しかし、この路線は坂井市域に入った直後からしばらくの間、九頭竜川の堤防上を通過するという特徴があります。この区間は台風などの自然災害発生時には通行止めとなるリスクが非常に高く、迂回路としての役割は限定的です。渋滞時などの例外を除き、真の意味での迂回路としては機能していないと言えるでしょう。

当初、本路線の終点は坂井郡三国町山岸（現在の曲折部の交差点）でしたが、国道305号三里浜バイパスの部分開通に伴い、国道指定が解除された区間を含めて三国町新保まで延伸されました。この延伸によって、路線の終点が変更された経緯も持っています。

道路状況：狭隘区間と交通量

道路状況は区間によって大きく異なります。九頭竜川の堤防上を通る区間は、センターラインのない1.8車線程度の狭隘な道路です。対向車との離合は困難で、交通量が多い時間帯は特に注意が必要です。一方、堤防区間以外の部分は片側1車線が確保されており、比較的走りやすいと言えるでしょう。

しかし、東尋坊などの観光地と福井市を結ぶ裏道として利用されるため、交通量は少なくありません。特に堤防上の狭隘区間では、頻繁に離合が必要となります。運転に慣れたドライバーであれば問題なく通行できますが、車幅感覚に自信のないドライバーや初心者ドライバーは、通行を控える方が賢明です。

接続道路と沿線

本路線は、起点において福井県道3号福井大森河野線、国道416号（現道）、福井県道10号丸岡川西線と接続します。また、途中の福井市砂子坂町では福井県道102号春江川西線と重複し、福井市波寄町では国道416号（新道、白方-布施田バイパス）と交差します。坂井市域では、福井県道155号八幡横越線、福井県道20号三国春江線と接続し、終点の新保交差点では国道305号（国道365号重複）に合流します。

沿線には佐野温泉などの観光スポットがあり、観光客の利用も多い路線です。しかし、災害リスクの高い区間が存在するなど、利用する際には注意が必要です。

まとめ：観光と防災の両面から考える必要のある路線

福井県道156号佐野山岸線は、観光地へのアクセス道路として機能する一方で、災害リスクも孕んでいる路線です。利用者は、道路状況や気象状況などを十分に確認し、安全運転を心がける必要があります。また、行政においても、防災対策の強化や道路整備の推進が求められるでしょう。この路線は、単なる道路ではなく、地域社会の安全と観光振興の両面に関わる重要なインフラであると言えるでしょう。

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