東尋坊

東尋坊について

東尋坊（とうじんぼう）は、福井県坂井市三国町安島に位置する美しい崖で、日本海に面しています。ここは越前加賀海岸国定公園内の特別保護地区とされ、その地質的な価値から国の天然記念物および名勝に指定されています。

崖の特徴

東尋坊の崖は、垂直に約25メートルの高さを誇る険しい岩壁が連なっており、訪れる人々を魅了します。崖を形成する岩石は輝石安山岩で、特に六角形の柱状節理が特徴的です。このような大規模な柱状節理は世界に三ヶ所しか存在せず、地質学的な観点からも極めて貴重です。1935年には国の天然記念物として認定され、さらに2007年には日本の地質百選にも選定されました。崖周辺には千畳敷、三段岩、ライオン岩、夫婦岩、ロウソク岩など、多彩な岩の名所が並んでいます。

由来と伝説

東尋坊という名前の由来にはいくつかの伝説がありますが、特に有名なのは平泉寺の僧侶にまつわる物語です。東尋坊という名の僧侶は力自慢で悪事を働いていたため、他の僧侶たちにいずれも疎まれました。彼はある美しい姫に恋し、恋敵である真柄覚念と対立していました。最終的に平泉寺の僧たちは彼を海辺に誘い、その絶壁から突き落としてしまいます。その後、海は49日間荒れ続けたと伝えられています。これらの伝説が東尋坊の神秘を一層引き立たせ、多くの観光客を惹きつけています。

観光スポット

東尋坊は観光地としても整備されており、遊歩道や遊覧船、展望台などさまざまな施設が整っています。特に「東尋坊観光遊覧船」は約30分のクルーズを提供し、雄島の近くまで行きます。また、見晴らしのいい「東尋坊タワー」からは360度のパノラマビューを楽しむことができ、福井平野や越前岬、白山などの美しい景色を一望できます。

さらに、「荒磯歩道」では三国町の米ケ脇から雄島近くまでの約4キロメートルを散策でき、文学や詩に縁のある句碑や詩碑も点在しています。

社会的な取り組み

残念ながら、東尋坊は自殺の名所として知られることもあります。このため、地元では自殺防止のための句碑や看板を設置するなどの活動が行われており、特に「救いの電話」と呼ばれる公衆電話が設置されています。この電話には相談できるように10円硬貨が常備されており、悩んでいる人々が手助けを求めることができるように配慮されています。

交通アクセス

東尋坊へは、京福バスを利用でき、「東尋坊」停留所で下車後すぐに到着します。また、三国駅からのアクセスも良好で、駅から各系統のバスが運行されています。車の場合は、E8北陸道の金津ICから約15分で到着することが可能です。東尋坊は観光としても価値が高く、自然の美しさや歴史的な背景を体験できるスポットとして、多くの人々に愛されています。

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