福井空港

福井空港の概要

福井空港（ふくいくうこう）は、福井県坂井市春江町江留中に所在する地方管理の空港です。かつては羽田や名古屋、新潟、小松といった主要都市への旅客定期路線が運航されていましたが、1976年を最後に定期便は廃止されています。現状では、チャーター機や自家用プロペラ機、さらにグライダーが主要な利用者となっています。この空港は、福井県警察や防災ヘリコプターの活動拠点としても機能し、地域の安全保障にも寄与しています。2021年度のデータによれば、福井空港は全国108の空港の中で着陸回数が48位に位置し、定期便が存在しない空港としては比較的上位に入る数を記録しています。

グライダースポーツの拠点

福井空港は特にグライダースポーツが盛んな地域としても知られています。国内の空港の中で唯一、グライダーの発着が正式に許可されている空港であり、航空機による曳航訓練も行われています。この訓練はグライダー愛好者にとって重要な部分であり、毎年開催されるグライダー競技会もここで行われることが多いです。だからこそ、多くのグライダー愛好家が集まる場所となっています。

JAXAとの連携

近年では、空港の利用方法を拡充する一環として、宇宙航空研究開発機構（JAXA）が滑走路を用いて氷雪モニタリングシステムの実証実験を行っています。この実験は2021年度から始まり、2025年度の実用化を目指しています。これにより新たな研究や開発の場としての可能性が広がっています。

空港ビルの再整備

2023年には、福井県が老朽化した空港ビルの再整備計画を発表しました。早ければ2024年度に新ビルの構想をまとめ、2025年度には建て替えに向けて具体的な動きを開始する予定です。これにより利用者にとってより快適な空間が提供されることが期待されます。

歴史的背景

福井空港の歴史は1962年に始まり、1964年から工事が開始され、1966年に開港を迎えました。しかし、1973年に小松空港のジェット化が進むと、福井空港の利用者数は減少し、1976年には定期便が全て廃止されました。その後、1985年には滑走路の延長計画が決まるも、住民の反対に遭い、実現には至りませんでした。2000年、公共事業の見直しに際し、福井空港の拡張計画は唯一「保留」とされ、最終的には断念されることになりました。

アクセスと周辺環境

福井空港へのアクセスは、京福バスやえちぜん鉄道を利用することができます。また、北陸自動車道の丸岡ICからも近く、市民や旅行者にとっては便利な立地となっています。

利用状況

福井空港の乗降客数は近年記録されていませんが、空港の着陸回数は安定しており、特にグライダーの着陸が全体の半分を占めるなど、特異な利用状況を見せています。2022年には新しい定期便の開設が発表されたものの、運航開始の目途は立っていない状況です。

以上が福井空港の基本情報とその運営状況についての概要です。空港は今後、地域の活性化や航空活動の向上に向けてさらなる発展を模索していくことでしょう。

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