福井美恵子

福井 美恵子

福井 美恵子（ふくい みえこ、1956年12月3日 - 1980年11月30日）は、滋賀県蒲生郡日野町出身の元女子バスケットボール選手です。ポジションはセンターで、身長は184cmと当時としては非常に恵まれた体格でした。その短い生涯の中で、日本女子バスケットボール界に大きな功績を残しました。

キャリアの始まり

中学時代はバレーボール選手として活動していましたが、高校進学にあたり、女子バスケットボール界で名将として知られた原田茂監督から熱心な誘いを受けました。この誘いをきっかけにバスケットボールへの転向を決意し、樟蔭東高校へ進学します。高校ではたちまちその才能を開花させ、チームの中心選手として活躍。インターハイや国体でチームを優勝に導く原動力となりました。この活躍が認められ、高校在学中から全日本ジュニア代表にも選出されるなど、早くから将来を嘱望されていました。

社会人・日本代表での活躍

高校卒業後の1975年、実業団の強豪であるユニチカに入社します。ユニチカでもその高い実力はすぐに発揮され、入社1年目にして日本リーグの新人王に輝きました。チームの主力センターとして活躍し、特に1977-78シーズンにはユニチカのリーグ優勝に大きく貢献。このシーズンから3シーズン連続で、リーグのベスト5に選出されるなど、日本を代表するセンタープレーヤーとしての地位を確立しました。

国内リーグでの活躍と並行して、日本代表としても目覚ましい活躍を見せました。1975年に開催された世界選手権では、主力メンバーとしてチームの準優勝という快挙に貢献。この大会での活躍は、福井選手の名を広く知らしめることとなりました。その翌年の1976年、モントリオールで開催されたオリンピックにも日本代表として出場し、世界の舞台での経験を積みました。さらに、1979年の世界選手権では、全8試合に出場するなど、代表チームになくてはならない存在となっていました。高い技術と身長を活かしたポストプレーやリバウンドで、日本代表の国際競争力向上に大きく貢献しました。

病、そして早逝

順風満帆に見えた福井選手のキャリアでしたが、幼い頃から抱えていた内臓疾患が悪化してしまいます。この体調不良のため、惜しまれつつも1980年にユニチカを退社することを決断しました。退社後も病状は回復せず、病院での療養を続けながら、再びコートに立つことを強く願っていました。しかし、その願いが叶うことはなく、残念ながら同年11月30日に心不全のため急逝されました。わずか23歳というあまりにも早い死は、日本女子バスケットボール界にとって大きな損失であり、多くの関係者やファンに深い悲しみを与えました。

ちなみに、ユニチカで同期入社だった水原理枝子氏は、バレーボールの元日本代表選手で、モスクワオリンピックの代表にも選ばれています。福井選手は短いアスリート人生の中で、高校、社会人、日本代表とあらゆるカテゴリーで輝きを放ち、その圧倒的な存在感で多くの人々の記憶に残っています。その卓越した才能と、それに反する早すぎる死は、今なお語り継がれています。

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