福井資明

福井資明 - 将棋棋士

福井資明（ふくい すけあき、1888年2月19日 - 1972年4月14日）は、日本の著名な将棋棋士として知られています。青森県弘前市で生まれ、将棋の道を歩み始めた彼は、北海道での将棋の普及活動に大きく貢献しました。

幼少期と将棋の道への第一歩

福井は津軽藩御用菓子司の老舗「大阪屋」に生まれました。子供の頃、青森の杉野六段から将棋の基礎を学び、将棋に情熱を燃やしながら成長していきました。少年期はやがて旭川市へと移り、家業を手伝いながら将棋の腕を磨いていました。彼の棋士としての道は、1917年に三段を取得したことから始まります。続いて、1922年には四段、1923年には五段に昇進しました。

師弟の関係と千葉での活動

1926年、福井は人生の転機を迎えます。火災に遭った後、千葉市に住む関根金次郎名人のもとで師事し、棋士生活をスタートさせました。その後、千葉で将棋道場を開くなど、本格的な活動を始めます。将棋への情熱を持ちはじめ、彼は多くの人々に将棋の魅力を伝えていきました。

北海道での普及活動

1931年、福井は北海道大学の教授たちからの強い要請を受けて北海道へ移住します。師匠の関根名人の推薦もあり、北海道での将棋普及に尽力することになります。1941年には、将棋大成会北海道支部を設立し、地域の将棋界を支える役割を果たしました。福井は将棋界の発展に心を注ぎ、後進の育成にも尽力しました。具体的には、後に彼の弟弟子となる五十嵐豊一や、同じく兄弟弟子の渡辺東一門下となる勝浦修の発掘に貢献しています。

昇進と名人戦の経験

福井の将棋人生は着実に進み、1950年には八段に昇段しました。1961年には札幌で開催された第20期名人戦の正立会人をつとめ、その業績が評価されます。また、1967年には北海道将棋会館の落成式に寄与し、その維持を目的とした北海道将棋連盟を設立しました。

晩年と九段位の追贈

福井は1972年4月14日に84歳でこの世を去りました。彼の死去後、2006年には日本将棋連盟より九段位が追贈されました。この結果、彼の棋士としての名誉は再評価され、将棋界における重要な存在として認識されることとなりました。特に、東奥日報では彼に対して「全国初の九段位を追贈」との評価がなされ、多くの将棋ファンの心に残ることとなりました。

福井資明の将棋に対する情熱や、北海道における普及活動は今も多くの棋士や将棋ファンに影響を与え続けています。

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