勝浦修

勝浦修九段：北海道から羽ばたいた棋士の軌跡

勝浦修九段は、1946年5月8日、北海道紋別市に生まれました。将棋好きの父の影響を受け、幼い頃から将棋に親しみ、旅館を営む父と共に客との将棋を通して研鑽を積んでいました。

彼の棋士としてのキャリアは、福井資明九段を師事したことから始まります。小学3年生の時に福井九段の指導を受けたことがきっかけとなり、中学入学と同時に内弟子として師事。15歳で全日本アマチュア名人戦北海道代表となるなど、早くから才能をみせていました。

1962年、中学卒業と同時に上京し、奨励会入会試験に挑戦。当初は不合格の判定でしたが、才能を認められ、2級からの入会が認められました。渡辺東一門下となり、京須行男の実家で下宿生活を送るなど、恵まれた環境で棋士としての道を歩み始めました。

奨励会では、1年半で三段に昇段。その後、1967年4月、森雞二との対局で四段昇段、プロ棋士としてデビューを果たしました。

プロ入り後は、順位戦で着実に昇級を重ねていきます。C級2組からスタートし、C級1組、B級2組、B級1組と順調に昇級、1976年にはA級八段に昇段。A級順位戦には通算7期在籍し、その実力を示しました。また、王将戦、王位戦にも出場し、第17期王位戦ではタイトル挑戦を果たしましたが、中原誠王位に敗れました。

タイトル戦挑戦以外にも、数々の棋戦で活躍しました。1980年にはオールスター勝ち抜き戦で優勝、1981年には王座戦で挑戦者となり、大山康晴王将と対戦しました。さらに、1985年には棋聖戦で挑戦者となり、米長邦雄棋聖と対戦。ロサンゼルスで行われた第2局で勝利を収めるなど、記憶に残るシリーズとなりました。

1985年11月1日には九段に昇段。竜王戦でも活躍し、1組に4期在籍しました。1993年には通算600勝を達成し、将棋栄誉賞を受賞しています。

勝浦九段の棋風は、「カミソリ流」として知られています。中終盤の切れ味鋭い攻めが特徴で、その実力は多くの棋士から高く評価されていました。引退後には、後輩である谷川浩司九段の棋風を理想としていたと語っています。

日本将棋連盟の理事も務め、長年にわたって将棋界の発展に貢献しました。事務処理能力の高さと人柄の良さから、高い評価を得ていました。林葉直子さんの休養・失踪騒動の際にも、重要な役割を担っていました。

将棋以外にも、パチンコ、麻雀、競輪、競馬など幅広い趣味を持ち、麻雀の腕前もプロ級だったと言われています。

2011年、65歳で引退。その棋士人生は、北海道から上京し、数々のタイトルに挑戦し、そして将棋界に貢献した、波乱に満ちた素晴らしいものでした。2023年春の叙勲で旭日双光章を受章。その功績は、長く人々の記憶に残ることでしょう。

彼の棋士人生は、努力と才能、そして人柄が織りなす、まさにドラマチックなものでした。数々のエピソードや、その棋風から、後世の棋士たちに大きな影響を与え続けていると言えるでしょう。

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