福原黎三

福原黎三: サッカー選手・指導者の足跡

福原黎三（ふくはら れいぞう、1931年4月2日 - 1970年2月27日）は、広島県東広島市八本松町出身の著名なサッカー選手および指導者です。彼の人生は、戦後広島の復興期と重なり、多くの選手や指導者に影響を与えました。

来歴とサッカーへの道

1945年8月6日、福原は広島市において原爆投下の影響を受けました。彼のサッカー人生は1946年から始まり、広島一中（後の鯉城高等学校）でサッカー部に入部しました。同期生たちは、後に各界で成功を収める重要な人物たちでした。

1948年、彼は鯉城高校のフォワードとして全国中等学校蹴球大会で優勝を経験。小柄ながらも飛び抜けたヘディング技術と身体能力でチームに貢献しました。この勝利は広島県勢のサッカー界における連覇の一環となりました。

1949年には西条高等学校に編入し、1951年には全広島メンバーとしてスウェーデンのプロチームと初めて対戦。彼の国際経験はその後の指導者としてのキャリアにも大きな影響を与えました。

大学時代と指導者への道

1952年、東京教育大学に入学し蹴球部に所属する福原は、大学2年次に関東大学リーグで優勝を果たしました。4年次には主将を務め、サッカー技術をさらに磨きました。同時に、体育主任として帝京商業高等学校に尽力した経験も持っています。

1955年、福原はビルマとタイへの遠征に選ばれるも出場機会はありませんでしたが、同年の国際Aマッチでの出場を果たしました。この時期には、彼が後に影響を与えることになる数々の選手とも交流を深めました。

指導者としての役割

1956年、福原は埼玉県立浦和高等学校に赴任し、同校サッカー部の監督として活躍を始めます。彼は、広島スタイルの激しいスライディングタックルを取り入れつつ、サッカーの基礎を教え、多くの選手を育成しました。翌1960年には、埼玉県で初の少年サッカークラブを設立し、小学生への正しいサッカー教育を広めました。

その後、故郷広島に戻り、広島県警察学校でサッカーの指導を行いながら、全国にサッカー教育を普及しました。1962年からは広島大学附属高等学校で教鞭を執り、さらなるサッカー発展のため尽力しました。この間、多くの指導者や選手たちを育て、広島サッカー界における重要な存在となりました。

晩年と遺産

1966年には日本ユース代表の監督も務め、若手選手の指導にあたるなど、サッカー発展に寄与しました。しかし、1970年に突如として訪れた胃癌のため、38歳という若さでその生涯を閉じました。

福原の指導やアイデアは、広島県のサッカー界にとどまらず、全国的な影響を及ぼしました。彼の献身的な活動は、サッカーの普及と若き選手たちの育成に今も新たな光を与え続けています。福原黎三氏の業績は、次世代のサッカー選手や指導者たちに引き継がれているのです。

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