福寿会館

福寿会館の概要

福寿会館（ふくじゅかいかん）は、広島県福山市に位置する歴史的建物です。この会館は、福山城公園内にあり、昭和初期に個人の別荘として建設されました。現在は福山市の市史編纂室や貸会議室、そして貸茶室として利用されています。

立地と歴史

福寿会館は、福山城の旧二の丸下段北側に位置しており、かつては藩政時代に城米蔵として知られる米を収納する施設があった場所です。明治時代には、周囲が民間に払い下げられ梨園に利用されましたが、1930年代に「鰹節王」と称される安部和助によって、現在の美しい別荘が建設されました。この施設は、敷地面積約7,400平方メートルを誇り、和式の本館に加え、木造2階建ての洋館があります。さらに、池泉回遊式庭園が完備されており、訪問者に潤いを与えています。

建築と登録文化財

福寿会館は、1935年から1937年頃に建設された洋風建築です。洋館の建築面積は138平方メートルで、屋根は鋭角の切妻で瓦葺きとなっており、外壁はモルタル仕上げです。柱や窓にはイタリア・ルネサンス風の装飾が施され、美しい外観を成しています。また、施設に併設されている本館も含め、いくつかの建物は国の登録有形文化財と認定されています。1997年には洋館が、2012年には本館や茶室などが登録されています。

戦後の利用と変遷

福山大空襲において隣接する福山城天守が焼失する中、福寿会館は無事でした。その後、この建物は個人の所有となり、福山通運の創業者である渋谷昇が購入した後、1953年に福山市に寄贈されました。寄贈の後、福寿会館は市民に開放され、結婚式などで使われるようになりましたが、1973年からは洋館が市の迎賓館として、本館は貸会議室や貸茶室として利用されるようになりました。

現在の利用状況

2008年には洋館の改修工事が行われ施設内に空調設備やトイレが設けられ、2009年には一般に開放されました。しかし、年間の利用者数はおおよそ5,000人程度と低迷しています。それにも関わらず、福山市はこの洋館の開放を通じて新たな観光スポットを生み出すことを期待しています。

施設情報

福寿会館には本館と洋館があり、以下のような部屋が設けられています：

- 大広間（21畳）
- 広間（14畳）
- 西客間（10畳）
- 北客間（6畳）
- 西茶室
- 南茶室

利用方法

開館時間は9:00から22:00までで、月曜日が休館日とされています（祝日の場合は翌日）。入館は無料ですが、施設を利用する場合は事前に確認が必要な上、使用料が発生します。交通はJR福山駅から徒歩約3分とアクセスも便利です。

周辺の観光スポット

福寿会館は周囲に多くの観光名所が点在しています。近くには福山城や広島県立歴史博物館、ふくやま美術館などがありますので、訪れる際にはぜひ併せて観光を楽しむことをお勧めします。

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