福山八幡宮

福山八幡宮の魅力

福山八幡宮（ふくやまはちまんぐう）は、広島県福山市北吉津町に位置し、福山城の北側にある松廼尾山に祀られた八幡宮です。この神社は、独特な構造と歴史を有しており、地域の信仰の中心として愛されています。

概要

福山八幡宮は、二つの社から構成されています。一見すると、それぞれの本殿が合祀されることが多い日本の神社において、奇跡的とも言える並列の形で本宮が築かれています。本殿、拝殿、随身門、石段、両部鳥居、参道、総門といった重要な要素が、均等に東西に配されており、このスタイルは全国的にも珍しいものです。

かつては「延広八幡宮」と「野上八幡宮」という別の神社として存在していましたが、1969年に法人を統合し「福山八幡宮」となりました。現在は備後福山の総鎮守として、境内には婚礼を行う福山八幡宮会館や、聡敏神社、稲荷神社など、多くの社も併設されています。1951年には、広島国体の柔道競技がこの神社境内で行われるという歴史もあります。2009年には、御鎮座325年奉祝大祭が盛大に行われました。

歴史

伝説によれば、延広八幡宮と野上八幡宮は古代から深津郡に存在していたとされていますが、その詳細は江戸時代になるまで記録がありません。それらの神社は福山城の築城に伴い、城下町を整備する中で移転されていきました。最初の場所は、延広八幡宮が城の麓に、野上八幡宮がその南西にあったとされています。

延広八幡宮

延広八幡宮は、かつて「惣堂八幡宮」と呼ばれていましたが、福山城の建設に伴い職人たちによってに下市へと移されました。寛永18年には再度移転され、今日の住吉町に位置することになりました。さらに、寛文2年にはお家騒動の影響で改名され、延広八幡宮となりました。

野上八幡宮

野上八幡宮は、天文年間に杉原盛重によって造営され、その後福山城築城時に現在の場所に遷されました。この神社も水野家による保護のもと、藩士たちの氏神として大切にされてきました。

両社八幡宮

4代藩主・水野勝種が1683年に延広八幡宮と野上八幡宮を松廼尾山に移転させ、両社はその後「両社八幡宮」として呼ばれるようになりました。

福山八幡宮の現在

1969年の法人統合以後、福山八幡宮として一つにまとまりました。現在も両社の本殿は築当初のまま保存されており、社務所の改装や境内の整備が進められています。中央拝殿は、300年記念事業の一環として新設され、東西の本殿を同時に参拝できるようになっています。

祭神

福山八幡宮では、応神天皇や神功皇后、他にも多くの神々が祀られています。それぞれの神は歴史や信仰に基づいており、地域の人々に深い敬意を表されています。

年中行事

福山八幡宮では、年中行事として「夏越の茅輪くぐり」があります。これは、夏の大祓として知られており、毎年7月30日に行われます。神事の一環である薪能は、福山藩の歴代藩主が奉納していた伝統行事で、現在も毎年恒例となっています。

交通アクセス

福山八幡宮は、JR福山駅の北口から徒歩約10分の距離にあり、アクセスも良好です。周辺には福山城や他の文化的な施設も多く、観光スポットとしても人気があります。福山八幡宮は歴史的な背景と地域文化が融合した特別な場所です。

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