福岡市交通局3000系電車

福岡市交通局3000系電車

福岡市交通局の3000系電車は、福岡市の地下鉄七隈線で使用される通勤形電車です。2005年2月3日の七隈線天神南駅から橋本駅間の開業に伴い運行が始まりました。この電車は、これまでの空港線や箱崎線とは異なる設計基準や需要に基づいて開発されており、従来の1000系や2000系から大きな進化を遂げています。

初期モデルの特徴

3000系は、2005年度にグッドデザイン賞を受賞し、翌年には鉄道友の会のローレル賞も獲得しました。そのデザインはドイツの工業デザイナーであるアレクサンダー・ノイマイスターによるもので、アルミニウム合金を使用し、片側に3カ所の両開き扉を配置。また、扉の間には大型の固定窓が設けられています。見た目は、白色を基調にした車体に緑色のラインや水色の縞模様が特徴的です。車両のサイズは、長さ16,500mm（先頭車は16,750mm）、幅2,490mm、高さ3,145mmで、旧型車両に比べて薄型設計がされています。

技術的な利点

全車両が電動車で構成されており、6両編成への増結が可能です。ATO（自動列車運転装置）が搭載されており、無人運転も実現できる仕様ですが、実際の営業運転では運転士が乗車し、運行を監視しています。制御装置は、全電気ブレーキ付きのIGBT素子によるVVVFインバータ制御で、行先表示はLED式です。

車内のデザイン

車内のデザインは、狭さを感じさせない工夫がなされており、すべての座席がロングシートで、座布団と背もたれはそれぞれ分割されています。背もたれは高めに設計され、窓の位置もそれに合わせてあります。色調はエメラルドグリーンで、各種の案内装置や車椅子スペースが設置されています。また、広告は液晶ディスプレイで代用され、広く見える貫通路や半透明の仕切りが空間の広がりを演出しています。

3000A系の導入

2021年度には3000系のマイナーチェンジ版である3000A系が導入され、天神南駅から博多駅への延伸に合わせて4編成が投入されました。この新車両のデザインは基本的に3000系を踏襲しつつも、配色の一部を変更しています。スカイブルーの帯は、福岡空港へのアクセスを示唆し、未来への希望を映し出すものとなっています。

新たな車内設備

3000A系では、博多駅延伸に伴うインテリアが用意され、博多織をイメージした色合いやイチョウの木を模した明るい木目が採用されています。さらに、コロナ対策として席数を減らし、ドア付近のスペースを広げてコミュニケーションの促進も図られています。ユニバーサルデザインにも配慮されています。優先席部分には立ち座りしやすい座席が設けられ、視覚的にわかりやすい案内表示器が取り付けられています。このように3000A系は、利用者に快適で安全な移動を提供することを目指しています。

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