福島県道145号吉間田滝根線
福島県道145号吉間田滝根線は、
福島県いわき市から
田村市に至る全長約11.3kmの主要な一般県道です。この路線は、
東日本大震災からの復興を支援する「福島復興再生道路」としての重要な役割を担っています。
路線概要
起点: いわき市川前町下桶売字荻
終点:
田村市滝根町広瀬町
総延長: 11.386 km
実延長: 5.932 km
路線認定年月日: 1973年3月23日
重用路線
福島県道36号小野富岡線(
いわき市川前町下桶売字荻~同市川前町小白井字大小屋)
福島県道36号小野富岡線 広瀬工区(田村郡小野町大字小戸神字坪毛~田村市滝根町広瀬字貝谷)
広瀬工区
当路線には、交通の円滑化と安全性の向上を目的とした広瀬工区のバイパスが設けられています。
起点:
いわき市川前町小白井
終点: 田村郡小野町小戸神(磐越自動車道・あぶくま高原道路小野インターチェンジ)
延長: 9.2 km
一般県道区間: 6.6km
自動車専用道区間: 2.6㎞
幅員
一般県道部: 6.5(9.0)m
自動車専用道部: 7.0(10.5)m
このバイパスは、あぶくま高原道路と福島県道36号小野富岡線を介して、東北自動車道、磐越自動車道、常磐自動車道を連絡する最短ルートの一部を構成しています。これにより、福島県中通り地方中部と、東日本大震災および福島第一原子力発電所事故で甚大な被害を受けた浜通り中部との連携が強化され、地域経済の復興に貢献しています。
整備の背景
以前は、いわき市と田村市の市境である矢大臣山周辺において、急カーブ、急勾配、幅員の狭隘な区間が連続し、落石による特殊通行規制や法面崩落、積雪による通行止めが頻発していました。また、当県道から磐越自動車道小野インターチェンジへ至る福島県道19号船引大越小野線も、小野町市街地で狭隘区間や丁字路、枡形による屈曲があり、交通の妨げとなっていました。
これらの問題を解消するため、あぶくま高原道路と県道小野富岡線富岡方面を直結するバイパス道路が2012年度から福島県によって事業化されました。
現道の特殊通行規制区間に並行する区間では、トンネルや橋梁の整備に高度な技術力が必要となるため、福島県が福島復興再生特別措置法に基づき国土交通省の直轄権限代行工事を要請し、2016年5月19日に引継ぎ式が行われました。県道船引大越小野線交点を境に、起点側の6.6kmが国による代行整備が行われる一般県道区間(広瀬改良)、終点側2.6kmが福島県により整備が行われる自動車専用道路(広瀬改良)となっています。2021年度まで国による代行工事が行われ、その後福島県による工事が続けられました。
起点部は県道小野富岡線小白井工区整備と併せて線形が改良され、県道小野富岡線富岡方面と当路線が直線的に接続されています。終点部はあぶくま高原道路が従来回り込むように小野インターチェンジへ接続するカーブをインターチェンジからのオンランプ路とし、あぶくま高原道路矢吹方面と当路線が直線的に本線となるトランペット型インターチェンジとして建設されています。
沿革
2012年度 - 事業着手
2016年度 - 一般県道区間6.6㎞の直轄権限代行事業着手
2018年1月15日 - 直轄権限代行区間起工式実施
2019年度 - 起点部(L=0.4km)の拡幅整備事業が完了
2021年度 - 一般県道区間の直轄権限代行事業終了
2024年4月13日 - 開通
道路施設
矢大臣山トンネル
全長: 1403m
幅員: 6.5(9.0)m
工法: 新オーストリアトンネル工法
施工: 前田建設工業
いわき市川前町小白井から
田村市滝根町広瀬に跨るトンネルで、直轄権限代行区間の主構造物です。建設時の仮称は「広瀬1号トンネル」でした。掘削工事中には、映画「前田建設ファンタジー営業部」のトンネル建設現場見学シーンが撮影され、貫通を記念してトンネル内での試写会も行われました。
矢大臣橋
貝谷大橋
全長: 69m
主径間: 66.8m
幅員: 7.5(8.5)m
形式: 単径間鋼単純非合成箱桁橋
施工: 日本ファブテック
事業当初の仮称は4-1号橋で、後に新貝谷橋に変更されました。
中谷地橋
滝根インター橋
八反田トンネル
全長: 218m
幅員: 7.0(9.5)m
建設時の仮称は「広瀬2号トンネル」でした。
こまち大橋
通過する自治体
福島県
いわき市 - 田村市
接続・交差する道路
いわき市
福島県道36号小野富岡線 富岡町方面・福島県道287号上川内川前線(川前町下桶売字荻 起点)
福島県道36号小野富岡線
小野町方面・
福島県道359号神俣停車場川前線(川前町小白井字大小屋)
田村市
福島県道19号船引大越小野線(滝根町広瀬町 終点)
関連項目
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福島県の県道一覧