福島高晴

福島 高晴の生涯

福島高晴（ふくしま たかはる）は、1573年に尾張国海東郡、現在の愛知県あま市に生まれました。父は福島正信で、彼は次男でした。兄の正則と共に、従兄である豊臣秀吉に仕官し、伊予国において5000石の領地を拝受しました。若い時から武将としての活動を始め、九州の平定や小田原征伐、さらには文禄の役にも従軍し、その戦歴を重ねました。

文禄3年（1594年）、高晴は伊勢国長島に転封され、1万石を賜ります。このことは彼の地位をより一層向上させました。関ヶ原の戦いでは、慶長5年（1600年）に東軍に属し、弟の正則と共に会津征伐に参加しました。この戦争の中で西軍に与した氏家行広を攻撃し、その功績により戦後は大和宇陀松山に3万石に加増移封されることとなります。

宇陀松山では、城の改修や城下町の整備に尽力しましたが、藩内においては彼の専横とも言える振る舞いが目立ちました。そのため、家臣たちからは徳川家康に訴えられることになりましたが、兄正則の旧功があったため、家康は彼に対して特に糾弾を行うことはありませんでした。

しかし、時が経つにつれて高晴は、慶長20年（1615年）に大坂の陣で豊臣家と内通していた疑いをかけられることになります。密かに大坂城に兵糧を運び入れていたとの噂も立ちました。彼はこの頃、私的な理由から騒動を引き起こし、徳川家康に訴え出た家臣を捕えたことで、改易という厳しい処分が下されます。

福島高晴の改易後、嫡男の正晴（高経）の子供である忠政は500石の領地を賜り、名跡が存続する道を得ます。忠政の後には養子の定正が続き、さらに正武、正胤の代へと名跡は受け継がれていきますが、正胤は博奕の罪により遠島に処されました。

高晴は改易後、「道牛」と名乗り、伊勢の山田に蟄居して生活を余儀なくされました。生活は非常に困難を極め、貧困に苦しむこととなります。寛永10年（1633年）9月25日には、赦免を受けることなく生涯を閉じました。福島高晴の人生は、栄光に彩られた側面と悲劇的な結末が共存しており、その足跡は今でも語り草となっています。

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