福徳岡ノ場

福徳岡ノ場について

福徳岡ノ場（ふくとくおかのば）は、小笠原諸島に位置する海底火山で、粗面安山岩質の中央火口丘です。具体的には北緯24度17分6.0秒、東経141度28分54.0秒で、南硫黄島の北約5kmにあります。2024年1月時点では、周辺海域に対して警戒が行われています。

名称の由来

福徳岡ノ場の名前の由来は明確にはわかっていませんが、福徳丸という漁船が発見したことから名付けられたとの説が広く知られています。このような海底火山は、天然の魚礁として重要な役割を果たし、漁船にとって有益な漁場となります。明治時代以降、南方の漁場開拓が進む中、発見された地形に船名を冠した名称が付けられることは一般的でした。福徳岡ノ場は比較的浅い水深に位置するため、「岡ノ場」と呼ばれるようになったと考えられています。

歴史的背景

福徳岡ノ場は有史以来、数回の噴火を経験しており、その中には海面上に新たな島を形成するケースもありました。気象庁の記録によると、明治時代から1986年までの間に、少なくとも7回の噴火が確認され、3つの新島が形成されましたが、すべて波浪によって浸食されてしまいました。特に1904年と1914年に現れた新島は「新硫黄島」と呼ばれましたが、これは溶岩ではなく軽石でできているため、消えやすいと産業技術総合研究所は議論しています。2010年の段階では、最浅部は水深が約25mに達しており、目立った島は確認されませんでした。

海上保安庁や海上自衛隊の調査によれば、2007年から2010年にかけて変色水が観測されており、これも火山活動の影響と考えられています。

さらに、2021年には大規模な海底噴火が発生し、新しい島が形成されました。この噴火は日本国内で戦後最大級のもので、推定で1億～5億立方メートルの軽石や火山灰が放出され、火山爆発指数もVEI=4を記録しました。速やかに検出された噴火の影響で、火山灰は沖縄や他の遠方の島々にも漂着しました。

主な噴火の年表

以下に、福徳岡ノ場の主な噴火歴を示します。

• - 1904年 - 1905年：海底噴火により新しい島が形成されるが、その後消失。
• - 1914年：またもや火山活動があり、新たな島が形成されるが、急速に崩壊。
• - 1986年：さらに一度の噴火で新しい島ができるが、短期間で消え去る。
• - 2021年：巨大な噴火が発生し、島が形成されるが、既存の記録によると続く浸食により消滅。

2022年1月には、以前形成された新島が再び海没していることが確認されました。福徳岡ノ場の活動は今後も観測と研究が続けられ、特にその影響は周辺海域において重要な意味を持つでしょう。

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