溶岩

溶岩とは

溶岩（熔岩、ようがん）は火山において噴火の際に火口から放出される溶融物質のことであり、主にマグマが冷却・固化する過程で形成されます。溶岩は、その性質によって様々な形態を持ち、観察されることが多い現象です。

溶岩の性質

溶岩は、多孔性であり、その多くは発泡した状態で地表に流出します。これは噴出前のマグマに水を主成分とする揮発成分が大量に含まれた結果、減圧により発生する現象です。噴火の際には、一度に大量のガスが放出され、火山ガスとして周囲に影響を与えます。溶岩流もまた揮発成分を含んでおり、地上に出る際の圧力低下によってガスが分離し、多数の気泡を含むことが一般的です。

粘性と成分

溶岩の粘性は温度や化学成分によって大きく異なります。温度が上昇するほど、粘性は低下し、逆に冷却が進むと固化します。また、ケイ酸（二酸化ケイ素）の含量が多いマグマの場合、粘性が高くなり、流動性が低くなる傾向があります。日本を含む太平洋周辺の火山では、溶岩は主に玄武岩、安山岩、デイサイト、流紋岩の4タイプに分類されます。最初の玄武岩は粘性が低く流れやすいのに対して、流紋岩などは粘性が高く流動性が乏しいです。

特にハワイの火山から出る玄武岩質溶岩は、非常に流動性が高く、火口から10km以上も流れることがあります。一方、昭和新山のようにデイサイト質溶岩は、流動性が低いため、ドーム状に盛り上がる形をとります。

ケイ酸の役割

ケイ酸が多く存在することで、粘性が高まります。純粋なケイ酸は四面体の構造を持つため、三次元的フレームワークを形成し、これが粘性を増加させる原因となります。また、ケイ酸以外の金属成分がこの構造に含まれることで、粘性が低下することもあります。玄武岩は金属成分が豊富でケイ酸の含量が低く、結果的に流動性の高い溶岩となります。

溶岩の形態

溶岩は流動を伴いながら冷却して固化するため、さまざまな形態を取ります。

• - パホイホイ溶岩: ハワイでよく見られる流動性の高い溶岩形態で、表面が滑らかで波状や縄状に模様が見られる。
• - アア溶岩: 三原山や富士山で見られる表面が粗く、ごつごつした形状の溶岩。
• - 塊状溶岩: 流れにくい溶岩の形態で、表面が固まった状態で岩塊状の流れが観察される。
• - 枕状溶岩: 水中で噴出した場合に見られる形態で、楕円形に積み重なった形状を持つ。
• - 溶岩ドーム: デイサイト質の溶岩がゆっくりと噴出し、ほとんど流れずにその場に盛り上がったもの。

これらの形態は溶岩の成分や噴火の状況によって決まります。溶岩がどのように流れ、観察されるかは、火山学の興味深い分野の一つです。

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