福昌寺 (中津川市)

福昌寺の概要

福昌寺は、岐阜県中津川市駒場にある曹洞宗の寺院です。山号を東光山と称し、本尊には薬師瑠璃光如来を祀っています。この寺は、恵那中部八十八ヶ所の第八十四番札所としても知られています。

歴史

福昌寺の創建は古く、その起源は慶長以前に遡ると考えられています。元々は現應寺という寺院で、中津川市駒場の津島神社付近にあったと伝えられています。開山は殺心存能和尚とされていますが、その詳細は不明です。開基は、江戸時代に尾張藩の重臣となった千村平右衛門良重です。

元禄11年(1698年)には、長国寺の四世である舟山春瑞が当寺の開山として示寂し、その後、寛延元年(1748年)には開法大興義雄が示寂したと記録されています。この頃から、福昌寺は長国寺の法系寺院となったと考えられます。

天保年間(1830～1843年)には、火災により寺が焼失し、その際に多くの古文書が失われてしまいました。

大岩薬師

福昌寺には、千村平右衛門良重が寄進した薬師堂寺領の永代寄進状が残されています。この寄進状によると、元和元年(1615年)に駒場桃山の地が薬師堂の寺領として寄進されました。

大岩薬師は、岩窟の中に安置されており、右手に与願印、左手に薬壺を持つ立像の石像です。岩窟の壁には「享保七寅八月十六歳」の朱書、石柱には「享保十八丑七月」の刻字があります。

かつてこの地には草庵があり、数名の僧侶が住んでいたとされていますが、文化年間(1804年～1818年)に焼失しました。現在では、静寂な場所で、消災除厄や万病平癒の祈願所として信仰を集めており、毎年4月12日には例大祭が盛大に執り行われます。

また、大岩薬師は、恵那中部八十八ヶ所の第八十七番札所と、廃寺となった信貴山の分である第八十八番札所としても知られています。

参考文献

『中津川市史　中巻Ⅱ』(1988年)
『恵那郡史』(1926年)

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