福本万一郎

福本 万一郎

1947年1月3日、福島県に生まれた福本万一郎（ふくもと まんいちろう）氏は、日本の元プロ野球選手です。主に投手として活躍しました。彼の野球人生は、地元の高校から始まり、社会人野球を経てプロの舞台へと続きました。

福島県立須賀川高等学校で野球に打ち込んだ福本氏は、卒業後に社会人野球の強豪、オール常磐へと入団しました。当時の社会人野球の最高峰であった都市対抗野球大会にもチームの一員として出場し、マウンドに上がっています。しかし、所属していたオール常磐は残念ながら解散してしまい、福本氏は新たなチームを求めて静甲いすゞへと移籍しました。静甲いすゞでも、補強選手として再び都市対抗野球大会に出場するなど、アマチュア野球界で着実に経験を積んでいきました。ところが、チームの監督との間に野球観の違いが生じ、選手として活動を続けることが難しくなったため、静甲いすゞを退団するという決断を下しました。その後、日拓観光を経て、プロ野球への道を模索することになります。

1972年、福本氏はドラフト会議を経由せず、ドラフト外で日拓ホームフライヤーズに入団しました。念願のプロ野球選手としての第一歩を踏み出したものの、プロの世界は厳しく、一軍での出場機会は限られました。プロ1年目の1973年シーズン、福本氏が公式戦のマウンドに立ったのは、わずか1試合のみでした。

その唯一のプロでの登板は、1973年5月26日に後楽園球場で行われた、対ロッテオリオンズとの前期8回戦でした。この試合で彼は、5回表から4番手のリリーフ投手としてマウンドに送られました。プロとして初めて経験する公式戦の緊張感の中で、3イニングを投げましたが、残念ながら3失点を喫しました。

この1試合の登板が、福本氏のプロ野球選手としてのキャリアにおける全てとなりました。1973年シーズン限りで、彼は現役を引退しました。プロ在籍時の背番号は44でした。

現役引退後、福本氏は生まれ故郷である福島県に戻り、野球に携わる道を歩み続けました。地元の少年野球チームである須賀川シニアで指導者となり、長年にわたり若い世代の育成に尽力しました。監督としてチームを率いた後、現在は総監督として、地域における野球振興と後進の指導に情熱を注いでいます。

福本万一郎氏の野球人生は、社会人野球での苦難と実績、そしてプロでの短くも記録に残るキャリア、そして引退後の地元での地道な指導者活動という、様々な側面を持っています。福島県が生んだプロ野球選手として、そして野球を通じた地域貢献者として、彼の存在は記憶されています。

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