福田保朝

福田保朝（ふくだ やすとも）は、1913年2月19日に香川県高松市で生まれ、1994年9月7日に81歳で生涯を閉じました。彼は、朝日放送（ABC）の社長として、その経営手腕を発揮し、同社の発展に尽力した人物として知られています。

福田は、1936年に関西大学専門部を卒業後、朝日新聞社に入社しました。社会部次長や整理部次長を歴任し、報道の現場で経験を積みました。1951年、朝日放送の設立に際し、その初期メンバーとして参画しました。放送部報道課長として報道部門を牽引した後、編成局次長、総務局長、営業局長など、要職を歴任しました。1962年には取締役、1968年には常務取締役に就任し、経営の中枢を担うようになりました。その後、1971年に専務取締役、1974年9月には副社長へと昇進し、着実にキャリアを積み重ねました。

1983年6月、福田は朝日放送の社長に就任しました。その経営手腕とリーダーシップにより、同社を更なる発展へと導きました。1990年6月には相談役に退き、後進に道を譲りました。彼の在任期間中には、番組制作や事業展開など、様々な面で改革が進められ、朝日放送の基盤が強化されました。福田は、常に変化を恐れず、放送業界の進歩に貢献しました。

福田の人となりとして特筆すべき点は、毎年、兵庫県西宮市の自宅の庭で500株以上ものチューリップを育てていたという点です。このエピソードは、彼の豊かな感性と、自然を愛する一面を示しています。チューリップの鮮やかな色彩は、彼の創造性を刺激し、仕事への情熱を支える一因となっていたのかもしれません。

その功績が認められ、1988年には勲二等瑞宝章を受章しました。この受章は、福田の長年にわたる放送業界への貢献を国が認めた証と言えるでしょう。彼は、朝日新聞社での経験と、朝日放送での長年の経営手腕を通じて、放送業界の発展に大きく貢献しました。

福田保朝は、その生涯を通じて、放送業界の発展に貢献しただけでなく、自然を愛し、豊かな人間性を兼ね備えた人物でした。彼の功績は、今後も語り継がれていくでしょう。

参考資料

朝日新聞縮刷版1983年5月号1114ページ、1990年6月号524ページ、1994年9月号341ページ
「新訂現代日本人名録94」第4巻88ページ（1994年1月20日、日外アソシエーツ）
* 「現代物故者事典1994～1996」（1997年3月21日、日外アソシエーツ）

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