福田拓也

福田拓也（ふくだ たくや）

1963年生まれの日本の詩人、文芸評論家、そしてフランス文学者です。主に現代詩の創作と、フランス文学、特に20世紀詩に関する評論・研究活動を行っています。

来歴

福田拓也氏は東京都に生まれ、慶應義塾大学文学部仏文科で学びました。同大学の大学院仏文学研究科後期博士課程に在籍しましたが、これを途中で退いています。その後、1990年にはフランス政府給費留学生として渡仏し、パリ第8大学の大学院で博士課程を修了し、文学博士号を取得しました。帰国後、東洋大学法学部企業法学科にて助教授として教鞭をとり始め、後に教授へと昇任しました。また、文芸誌『三田文学』の編集長を、2016年春季号から2017年冬季号にかけて務めています。

業績と活動

詩人としての活動は早くから注目され、1994年には第32回現代詩手帖賞を受賞しました。また、文芸評論家としても精力的に活動しており、2014年には批評集『尾形亀之助の詩 大正的「解体」から昭和的「無」へ』が第5回鮎川信夫賞の最終候補に選ばれています。2018年には、詩集『倭人伝断片』と『惑星のハウスダスト』の二作によって、権威ある第56回歴程賞を同時に受賞しました。これは氏の詩業が大きな評価を受けたことを示しています。

専門分野であるフランス文学においては、特に20世紀フランス詩、中でもシュルレアリスムを代表する詩人ポール・エリュアールに関する研究を深めています。多数の論文を通じて、エリュアールの詩学や創作手法、思想について詳細な分析を行っており、その研究成果は国内外の学会でも発表されています。大学教授として、後進の育成にもあたっています。

主な著作

福田拓也氏は、詩集、批評集、専門分野の論文など、幅広い著作を発表しています。主なものとしては、以下のような作品があります。

詩集

• - 『砂地』（楢葉出版、1998年）
• - 『死亡者』（七月堂、1998年）
• - 『言語の子供たち』（七月堂、1999年）
• - 『砂の歌』（思潮社、2005年）※「福田武人」名義、晩翠賞候補
• - 『まだ言葉のない朝』（思潮社、2014年）
• - 『倭人伝断片』（思潮社、2017年）※第56回歴程賞受賞作
• - 『惑星のハウスダスト』（水声社、2018年）※第56回歴程賞受賞作
• - 『DEATHか裸(ら)』（コトニ社、2022年）

批評

• - 『尾形亀之助の詩 大正的「解体」から昭和的「無」へ』（思潮社、2013年）※第5回鮎川信夫賞最終候補
• - 『小林秀雄 骨と死骸の歌――ボードレールの詩を巡って』（水声社、2015年）
• - 『「日本」の起源――アマテラスの誕生と日本語の生成』（水声社、2017年）
• - 『エリュアールの自動記述』（水声社、2018年）

エリュアールを中心としたフランス詩に関する論文も多数発表しており、研究者としての貢献も大きいといえます。詩人としては、人間の内面や言語そのものを深く掘り下げた作品を発表し続けています。

私生活では、詩人の大木潤子氏を妻に迎えています。多岐にわたる活動を通じて、現代日本の文学・学術界に貢献しています。

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