福田町 (高松市)

福田町（ふくだまち）

香川県高松市の中心部に位置する町丁であり、郵便番号は760-0048が割り当てられています。この町では、住居表示に関する法律に基づく新しい住居表示は現在実施されていません。

地理

高松市役所から約0.7キロメートルという近距離にあり、市の中心市街地、いわゆる都心部に位置しています。町の境界は、南側が市道亀井町2号線、西側が市道片原町多賀町線によって明確に区切られています。北は御坊町、東は塩屋町に面した建物の裏側に連なっており、全体としては南北方向に細長い形状をしています。町域の南部を、東西に走る国道11号が貫通しています。

町内の土地利用は、基本的に一戸建ての住宅やマンション、そしてコインパーキングなどの駐車場が大部分を占めるエリアです。しかし、四国地方有数の歓楽街として知られる古馬場町に隣接しているため、特に市道塩屋町四番町線（通称「南古馬場の通り」）沿いには、ある程度の数の飲食店が立地しています。また、国道11号沿いには、ビジネスホテルや地域住民のためのコミュニティセンター（公民館）も見られます。

人口と世帯

2010年の国勢調査によると、福田町の人口は332人で、その内訳は男性150人、女性182人でした。世帯数は183世帯を数え、町域の面積は3万1884.57平方メートルです。これを基にした人口密度は、1平方キロメートルあたり1万0412.6人となります。公立の小学校および中学校の校区については、町域の全てが高松第一小学校・中学校（小中一貫校）に属しています。

都市計画

都市計画法に基づき、福田町全域は商業地域に指定されています。容積率に関しては、国道11号に面した地域が500%、それ以外の地域は400%と定められています。

歴史

江戸時代初期、寛永19年（1642年頃）に松平頼重が高松城主として入封した際、この一帯は華下天満宮（現在の片原町に所在）の社領に組み込まれ、「福光免」と称されていました。この時期の高松城下絵図（寛永17年版）を見ると、町域には南北方向に堀（疎水）が流れていた様子がうかがえます。その後、寛文7年（1667年頃）には町名が「福田町」と改められ、商業地としての性格を持つ町家が形成されていきました。さらに宝永年間（1704年から1710年）からは、高松藩による町方の支配下に置かれるようになりました。

享和年間から文化年間にかけて（1801年から1818年頃）は、香川県の地誌『全讃史』の編著者として知られる儒学者、中山城山がこの町内で私塾を開いていました。幕末期には、その中山城山の教えを受けた藤沢東畡もこの地で私塾を開き、多くの門弟を育てています。また、山水画を得意とした画家の中川愛山もこの地に住居を構え、制作活動を行っていました。

1890年（明治23年）2月15日に高松市が成立したことに伴い、福田町は同市の町丁の一つとなりました。しかし、1945年（昭和20年）7月4日未明に実行されたアメリカ軍による無差別爆撃、いわゆる「高松空襲」により、町域全体が壊滅的な被害を受け、灰燼に帰しました。

空襲によって中心部が壊滅した高松市では、広範にわたる土地区画整理事業（戦災復興土地区画整理事業）が実施され、福田町もその対象となりました。この事業において、ことでん琴平線の鉄道敷地よりも西側（現在の古馬場町や瓦町にあたる区域）は第一工区一次、それより東側は第一工区二次として区分されました。区画整理の結果、現在の国道11号をはじめとする多くの新しい街路が整備されました。しかし、この事業の際に福田町周辺では、城下町時代からの古い街路を一部残しつつ、その街区の中に新たな道路を通す手法が採られたため、結果的に街路の密度が高まり、土地が細かく分断される形となりました。この土地の細分化は、大規模な建築物への需要が高まった現代の土地利用のニーズに必ずしも合致しないといった問題点も、後世の評価として指摘されています。

この区画整理事業の完了を示す換地処分公告は、第一工区一次が1958年（昭和33年）7月10日、第一工区二次が1964年（昭和39年）1月25日に行われました。換地処分公告の翌日には地番整理が実施されたため、町域の変更も行われています。福田町の一部が1958年（昭和33年）7月11日付けで瓦町一丁目・二丁目、古馬場町、御坊町へそれぞれ編入されました。続いて1964年（昭和39年）1月26日付けで、さらに一部が塩屋町、古馬場町、御坊町、そして瓦町一丁目・二丁目へと編入される一方、塩屋町の一部が福田町に編入されています。

主要施設

町内には以下の主要施設が立地しています。

高松地区更生保護サポートセンター - 旧築地小学校の移転跡地に設置された施設です。
旧チサングランド高松 - 新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設として一時的に香川県が借り上げて利用された後、営業を再開しないまま閉業したホテルです。かつて同地にあった穴吹エンタープライズ本社も移転しています。
* アパホテル高松瓦町 - 町内に立地するビジネスホテルの一つです。

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