古馬場町

古馬場町（ふるばばちょう）

香川県高松市の中心市街地に位置する町丁の一つで、郵便番号は760-0045です。この地域では、住居表示に関する法律に基づく住居表示は現在まで実施されていません。古馬場町は、四国地方でも有数の規模を誇る歓楽街として広く知られており、夜の賑わいが特徴的なエリアとなっています。

地理

高松市の都心部にあり、高松市役所からは南東へ約0.5キロメートルの距離に位置します。町域は、東側をことでん琴平線の鉄道敷地、南側を主要幹線道路である国道11号、西側を活気あふれる丸亀町商店街にそれぞれ面しています。北側は、御坊町に接する建物群の裏手に当たります。町内の中心部を南北に貫く目抜き通りとして、フェリー通りや自転車歩行者専用道路であるライオン通りが挙げられます。特にライオン通り商店街を中心としたエリアは、この町の性格を最も色濃く反映しており、多様な飲食店やバー、スナックをはじめ、高級クラブやキャバクラといった水商売関連の店舗が入居する雑居ビルが密集して立ち並び、独特の雰囲気を作り出しています。

町内には東西に延びる通りが複数ありますが、かつてこの地にあった馬場に由来する古い町名の名残から、便宜的に北側から「北古馬場」「中古馬場」「南古馬場」という通称で呼ばれることがあります。これらの通称は、特定の店舗や建物の位置を示す際などに現在も用いられることがあります。一般的な街路も多い中で、「中古馬場」と呼ばれる通りは西方向への一方通行、「南古馬場」と呼ばれる通りは東方向への一方通行となっています。最も北側の「北古馬場」通りは、西端で丸亀町商店街に突き当たる形になっており、通り抜けはできません。

歴史

「古馬場」という地名の起源は、その名の通り、かつてこの場所に馬場が存在していたことに由来するとされています。江戸時代には、高松城の城下町の一部として認識され、絵図にもその姿が描かれていました。

江戸時代後期の高松城下絵図、例えば文化年間（1804年～1818年）、天保15年（1844年）、安政4年（1857年）のものには、現在の古馬場町の北側部分が「片フルババマチ」として記載されています。明治時代に入ると、明治4年（1871年頃）に、当時の古馬場町の北側部分と、現在の御坊町のうちライオン通りより西側の範囲を合わせて、「北古馬場町（きたふるばばまち）」が新たに設けられました。しかし、この北古馬場町は戦後の1958年（昭和33年）に町域が再編され、北側が御坊町へ、南側が古馬場町へと編入される形でその名を消しました。

現在の古馬場町の町域も、昭和後期に複雑な変遷を経て確定しています。1958年には、町域の一部が丸亀町や瓦町一丁目・二丁目に編入される一方で、消滅した北古馬場町の南部、福田町の西部、さらには南新町と東瓦町のそれぞれ一部が古馬場町に編入されました。その後、1964年（昭和39年）にも、福田町の一部が古馬場町に編入されるという町域変更が行われています。

統計と都市計画

2010年の国勢調査によると、古馬場町の人口は164人で、男性が67人、女性が97人でした。当時の世帯数は98世帯、町域の面積は約4万0132.97平方メートルであり、これに基づくと人口密度は約4086.4人/平方キロメートルとなります。

公立学校の校区に関しては、町域全体が高松第一小学校・中学校（小中一貫校）の指定を受けています。

都市計画法に基づく用途地域は、町域の全域が商業地域に指定されています。また、容積率も全域で500パーセントが定められています。これらの指定は、町の中心市街地としての機能や、商業・サービス業が集積する歓楽街としての性格を反映しており、比較的高い建物の建設などが可能なエリアであることを示しています。

歴史的な背景を持ちながらも、現在は高松市の都心部における主要な歓楽街として機能している古馬場町は、その地理的な位置、多様な店舗構成、そして都市計画上の特性において、高松中心市街地の夜間における賑わいの一端を担う重要な地域と言えます。

もう一度検索