福田進一

福田進一：日本のクラシックギター界を牽引する巨匠

福田進一（ふくだ しんいち、1955年12月25日 - ）は、大阪市出身の日本を代表するクラシックギター奏者です。国内外で幅広く活躍し、その卓越した技術と音楽性で多くの人々を魅了しています。

音楽への目覚めと修行時代

11歳でギターを始め、斎藤達也に師事。関西大学商学部を中退後、1977年にパリへ留学し、エコール・ノルマル音楽院でアルベルト・ポンセに師事しました。同音楽院を首席で卒業後、イタリアのキジアーナ音楽院でオスカー・ギリアに師事し、最優秀ディプロマを取得。研鑽を積みました。

国際舞台での活躍

1981年、パリ国際ギターコンクールでグランプリを獲得。これを機に、ソリストとして世界各地で演奏活動を展開。著名なオーケストラとの共演や、マスタークラスの開催など、多岐にわたる活動を行っています。

1999年には、B'zのギタリスト松本孝弘との対談がNHKで放送され、ギターへの情熱や音楽の価値について語り合いました。この際、松本が福田のギターを試奏する場面もあり、クラシックギター特有のフィンガリングに苦労する様子も見られました。

2007年には、日本の優れた音楽文化を世界に紹介した功績が認められ、外務大臣表彰を受賞。2008年には、レオ・ブローウェルから協奏曲『コンチェルト・ダ・レクイエム』を献呈され、世界初演を果たしました。その後も、ブローウェルの作品を積極的に演奏し、作曲者自身との共演も実現しています。

2012年には、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。同年には、ドイツ、台湾、キューバ、カナダ、北米でツアーを開催し、国際的な評価を確立しました。2014年には、アリカンテ大学の客員教授に就任し、セビリア国際ギターフェスティバルにメインゲストとして招待されるなど、教育者としても貢献しています。

近年では、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元コンサートマスター、ライナー・キュッヒルとの演奏活動を開始。2019年には、モスクワのチャイコフスキー・コンサートホールでスヴェトラーノフ記念ロシア国立交響楽団と共演するなど、その活動はますます広がっています。

多彩な才能と音楽への情熱

福田は、ルネサンス音楽から現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、多くの作曲家から楽曲を献呈されています。また、フルート、チェロ、ヴァイオリン、ジャズギターなど、様々なジャンルの音楽家との共演も積極的に行い、クラシックギターの可能性を追求しています。

90枚を超えるCDをリリースしており、その数は日本のクラシックギタリストの中でも群を抜いています。スペイン音楽やタレガ作品集、バッハ作品集など、意欲的な企画も展開しています。世界的なレーベルNAXOSからは、「現代日本のギター音楽」シリーズをリリースし、日本の現代ギター音楽を世界に紹介しています。

後進の育成と社会貢献

福田は、教育者としても才能を発揮し、鈴木大介、村治佳織、村治奏一、大萩康司、松尾俊介など、数多くの優れたギタリストを育成しています。現在、上海音楽院、大阪音楽大学、エリザベト音楽大学、昭和音楽大学で客員教授を務め、後進の指導にあたっています。また、主要な国際ギターコンクールの審査員も務め、国際的な音楽界に貢献しています。

クラシックギター界の第一人者として、演奏、教育、社会貢献など、多岐にわたる活動を通じて、音楽文化の発展に貢献している福田進一。その情熱と才能は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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