福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員とは

福祉用具専門相談員とは、厚生労働大臣が指定する福祉用具専門相談員指定講習を修了した者を指します。介護保険制度において、福祉用具貸与事業を行う事業所には、常勤換算で2名以上の専門相談員の配置が義務付けられています。

資格要件の変遷

2015年4月1日の介護保険法改正により、福祉用具専門相談員の資格要件が大きく変更されました。以前は、ホームヘルパー2級や介護職員初任者研修などの資格でも認められていましたが、改正後はこれらの資格は対象外となり、指定講習の修了が必須となりました。この改正により、既存の資格保持者は、指定講習を受講するか、社会福祉士などの福祉関連の国家資格を取得する必要が生じました。

受講資格

福祉用具専門相談員指定講習には、特別な受講資格は設けられていません。ただし、社会福祉士、介護福祉士、義肢装具士、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士などの医療・福祉系資格者は、以前は福祉用具専門相談員の代替として事業所に配置できましたが、2015年の法改正後は、これらの資格保持者も指定講習の受講が必須となりました。

指定講習の内容

指定講習は、厚生労働大臣が指定する講習会で、合計40時間で行われます。講習内容は、老人保健福祉に関する基礎知識、介護と福祉用具に関する知識、関連領域に関する基礎知識、福祉用具の活用に関する実習など多岐にわたります。また、修了時には筆記試験による評価が行われます。

その他の研修

指定講習以外にも、社団法人シルバーサービス振興会などが主催する福祉用具供給事業従事者研修会（50時間）も存在します。この研修会も、都道府県知事の指定を受けており、福祉用具専門相談員の要件を満たすことができます。さらに、この研修を修了すると、福祉用具供給事業従事者現任研修会を受講することができ、より専門的な知識とスキルを習得できます。

キャリアパス

福祉用具専門相談員からケアマネージャー（介護支援専門員）を目指す道も開かれています。福祉用具供給事業従事者研修（50時間）を修了後5年以内に、現任研修を修了した場合、都道府県知事の確認により、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を得ることができます。

福祉用具プランナーとの違い

福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーは、業務内容が類似している部分もありますが、いくつかの違いがあります。福祉用具プランナーは、2年以上の福祉業務経験が必要ですが、福祉用具専門相談員にはそのような要件はありません。また、カリキュラムの内容や研修時間、修了試験の有無、eラーニングの可否にも違いがあります。

まとめ

福祉用具専門相談員は、介護保険制度における福祉用具貸与事業を支える重要な役割を担っています。専門的な知識と技術を持ち、利用者のニーズに合わせた適切な福祉用具の選定と提供を行うことで、在宅介護を支援しています。指定講習の受講は必須ですが、その後のキャリアアップの道も開かれており、福祉分野での活躍を志す方にとって、魅力的な資格と言えるでしょう。

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