保健師

保健師について

保健師（ほけんし）は、日本において特定の資格を持った専門職であり、保健指導を行うことを主な業務としています。この資格は「保健師助産師看護師法」に基づき、厚生労働大臣から免許を受けた者のみが名乗ることができるもので、資格を有しない者がこの名前を用いることは法律で禁止されています。ただし、保健師は業務独占資格ではなく、医師や他の医療職もその指導を行うことができます。

資格と教育

保健師として働くためには、まず看護師国家試験に合格する必要があります。その後、所定の専門課程を修了し、保健師国家試験に合格することが要求されます。最近の法改正により、保健師国家試験を受験するためには看護師の資格が必須となりました。このため、保健師となる者は看護師の資格も兼ね備えていることが一般的です。

保健師の活動は、地域の健康や福祉に寄与することを目的としており、主に都道府県や市町村の保健所、保健センター、学校、企業など多様な環境で行われています。保健師は大きく分けて、行政保健師、産業保健師、学校保健師の3つのタイプに分類されます。

保健師の種類

行政保健師

行政保健師は、地域の保健行政に従事し、乳幼児や妊産婦、高齢者など多様な対象性を持ち、主に生活習慣病や感染症対策に取り組みます。市町村保健師として住民に身近な保健指導を行うことが期待されています。また、精神障害や障害者への支援なども重要な役割です。

産業保健師

産業保健師は企業で働く労働者の健康管理を担い、労働環境の改善や生活習慣病の予防に貢献する役割を持っています。近年ではメンタルヘルスへの配慮も重要視され、精神的な健康保持が求められています。

学校保健師

大学などで学生や教職員の健康を考える学校保健師は、学校保健法に基づき健康維持に取り組んでいます。養護教諭としての役割を果たし、教育における健康教育にも関与しています。

資格と法規

保健師の資格を持つ者は、養護教諭2種免許を得ることができる条件を満たすことも多く、保健師が教育現場で果たす役割も増えています。また、保健師が取得可能な他の資格には第1種衛生管理者などもあります。

歴史的背景

保健師制度は1877年に始まり、以来社会における健康の維持・増進に寄与してきました。保健師のルーツは、貧しい患者への巡回看護にあります。その後、保健所法の制定や様々な社会事情を経て、今日の制度が確立されてきました。

現在の位置づけ

保健師は現在、看護職としての多様な活動が期待されており、国際的な援助活動や公衆衛生の向上にも力を入れる専門職として、今後の活躍が期待されています。

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