福音交友会

福音交友会（ふくいんこうゆうかい）

概要

福音交友会は、大阪府堺市に本部を置くプロテスタント・キリスト教の団体で、福音派に分類されます。正式名称は「Japan Gospel Fellowship」といい、略称として「FKK」と呼ばれることもあります。日本国内の主要な福音派団体の連合体である日本福音同盟に加盟しています。その活動地域は主に近畿地方南部、具体的には大阪の泉州地域、京都府、奈良県、和歌山県に及んでおり、これらの地域に複数の教会を設立しています。

沿革

福音交友会の歴史は、第二次世界大戦終結直後の混乱期に遡ります。戦前、日本で宣教活動に従事していた美濃ミッション出身の宣教師たちが、戦後、アメリカ合衆国フィラデルフィアにおいて、日本の復興期における福音宣教の必要性を感じ、新たな宣教団体設立に向けた準備を開始しました。1946年、E.バーワ、A.パフ、そしてハワイのマキキ聖城教会とも深いつながりを持つ本山ジュリア春江らが中心となり、「ジャパン・ゴスペル・フェローシップ」が結成されました。

翌1947年4月、創設者の一人であるE.バーワ宣教師が日本の地に来日し、福音交友会を設立しました。この設立にあたって、彼らは「京都から和歌山まで」という広範な地域を対象とした宣教のビジョンを掲げました。同年には本山宣教師も来日し、翌1948年にはA.パフ宣教師も合流。主要な創設者たちが日本に集結し、福音交友会としての組織的な活動が本格的に開始されました。

設立後の宣教活動の進展に伴い、伝道者の育成が課題となりました。これに応えるため、1961年から1966年にかけて、福音交友会聖書学院が設置され、教会の働きを担う人材の養成が行われました。また、組織としての信仰の立場をより明確にするため、1973年には従来の信仰告白が検討され、再整備されました。この際に、穏健カルヴィニズムの立場を公式に採用することが決定され、教団の神学的な基盤が確立されました。設立から50年を迎えた1997年には、記念の礼拝や行事が行われ、これまでの歩みを感謝し、今後の宣教への歩みを誓いました。

特色

福音交友会は、その運営においていくつかの明確な特色を持っています。まず、教会の政治形態としては会衆政治を基本としています。これは、個々の教会が主体性を持って意思決定を行い、運営していくスタイルであり、各教会の自立と自活を非常に重んじています。そのため、中央集権的な性格を持つ教団政治のシステムは採用していません。各教会が地域に根ざし、独自の判断に基づいて活動を展開することを重視しています。

また、福音交友会では、教会の働きにおける女性の役割を積極的に認めている点も特色の一つです。性別にかかわらず、聖書に基づいた信仰と賜物を持つ人々が、教会の様々な働きやリーダーシップに関わる機会が尊重されています。

宣教活動においては、福音的伝道に重点を置いています。これは、聖書の中心的なメッセージであるイエス・キリストによる救いを人々に伝えることを活動の柱としていることを意味します。地域社会において積極的に福音を分かち合う活動を展開しています。

教会と関連

福音交友会に属する教会は、活動地域の地名を冠した名称を用いており、原則として「[地名]聖書教会」という形式を採用しています。これにより、地域とのつながりを明確に示しています。

歴史的な背景から、ハワイにあるマキキ聖城教会との間には交流があり、関係性が保たれています。

また、福音交友会に関連する著名な人物としては、大和昌平氏、遠藤正一氏、遠藤良太氏らが挙げられます。

福音交友会は、戦後の困難な時期に設立されて以来、関西地方南部を中心に、会衆政治に基づく教会の自律性を重んじつつ、福音宣教と地域社会への奉仕を続けている団体です。

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