私のように美しい娘

『私のように美しい娘』（原題: Une Belle Fille Comme Moi）は、フランソワ・トリュフォー監督による1972年のフランス映画です。ヘンリー・ファレルの小説『Such a Gorgeous Kid Like Me』を原作としており、前作『恋のエチュード』の陰鬱さとは対照的に、軽快なコメディ作品として仕上がっています。

ストーリー

社会学者のスタニスラス・プレヴィンは、「犯罪女性」というテーマの書籍を出版予定でしたが、なぜか書店に並びません。その理由は、彼が1年前に遡ります。

プレヴィンは女性犯罪者の動機と心理を研究するため、女囚刑務所を訪れました。そこで出会ったのが、愛人を塔から突き落とした罪で服役中のカミーユ・ブリスです。プレヴィンはカミーユに定期的にインタビューを重ねるうちに、彼女の数奇な人生と魅力に引き込まれていきます。カミーユの「無実」を信じたプレヴィンは、事件の真相を究明するため、事件現場へと飛びます。

そこで、彼は殺人現場を撮影していた少年を発見し、カミーユの無罪を証明できる材料を手に入れます。そして、カミーユは裁判で無罪となり出所。プレヴィンとカミーユが語り合っているところに、カミーユの昔の愛人と名乗るアルチュールが現れ、プレヴィンを殴り倒します。その後の出来事をプレヴィンは覚えていません。カミーユはアルチュールを拳銃で撃ち殺し、気絶しているプレヴィンの手に拳銃を握らせたのです…。

キャスト

カミーユ・ブリス：ベルナデット・ラフォン
スタニスラス・プレヴィン：アンドレ・デュソリエ
ミュレーヌ：クロード・ブラッスール
アルチュール：シャルル・デネル
サム・ゴールデン：ギー・マルシャン
クロヴィス・ブリス：フィリップ・レオタール
エレーヌ：アンヌ・クレス
イゾベル・ブリス：ジルベルト・ジェニア
フロランス・ゴールデン：ダニエル・ジラール

解説

当初、スタニスラス役はトリュフォー自身が演じる予定でした。カミーユを社会復帰させようと奔走するスタニスラスの姿は、トリュフォーが『野性の少年』で演じたイタール博士を彷彿とさせます。

映画には、教会の塔からアルチュールが突き落とされるシーンを8ミリ映画で撮影する場面がありますが、これは原作にはない演出です。トリュフォーは、このシーンがハワード・ホークスの『紳士は金髪がお好き』に出てくるませた少年にそっくりだと語っています。また、撮影マニアの少年ミシュー・ファレルを「ガレル」と聞き間違えるシーンは、当時評判だった天才8ミリ作家で、後に映画監督となるフィリップ・ガレルへの目配せです。

クロヴィスと車でパリへ向かうシーンでは、「パリまで813キロ」と書かれた標識が登場します。

外部リンク

私のように美しい娘 - allcinema
私のように美しい娘 - KINENOTE
Une belle fille comme moi - IMDb（英語）

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