秋のスターパレード

『秋のスターパレード』は、1976年の秋にフジテレビ系列の全国ネットで放送された、お昼の帯時間を利用した歌謡番組です。具体的には、1976年9月6日から同年10月1日までの期間、毎週月曜日から金曜日まで、日本標準時で12時15分から13時までの45分間にわたって放送されました。この期間を通じて、全20回の放送が行われています。

本番組が放送された時間帯は、当時のフジテレビが設定していた帯番組枠『お昼のスペシャル』の一部でした。この『お昼のスペシャル』は、日替わりで様々な企画やジャンルの番組を展開する枠として運用されており、『秋のスターパレード』は、このシリーズ枠における第4弾にあたる番組でした。そして同時に、この『お昼のスペシャル』という帯番組シリーズとしては、本番組が最後の放送企画となりました。

番組の内容面に関しては、同時期の『お昼のスペシャル』枠の第1弾として放送されていた『夏のスターパレード』と多くの点で共通する形式が採用されていました。日替わりでさまざまな歌手が出演し、歌を披露するスタイルだったと考えられます。しかし、『夏のスターパレード』とは異なり、この『秋のスターパレード』では、主に過去のヒット曲を中心に歌ういわゆる懐メロ系の歌手が出演ラインナップに含まれていなかったという特徴がありました。このことから、当時第一線で活躍していた現役の歌手たちが中心となって出演する、最新の歌謡曲を紹介する要素の強い番組であったと推測されます。

平日のお昼という時間帯に帯番組として放送される歌謡ショー形式は、当時の視聴者にとって、ランチタイムや午後のひとときを彩るエンターテイメントとして機能していたと考えられます。毎日異なる歌手が登場することで、飽きさせない工夫が凝らされていたのでしょう。全20回という放送期間は短いものの、秋の始まりとともにスタートし、季節の移り変わりを感じさせるような企画意図があったのかもしれません。

番組の制作体制については、以下のスタッフが携わっていました。

プロデューサー：熊谷雅弘
演出：久保田逸博、増田晴男、新井義春、熊田共一、田熊清
音楽：前田憲男
企画制作：フジプロダクション
* 制作著作：フジテレビ

多くの演出家が名を連ねていることから、日替わりで担当者が変わる、あるいは各日の出演者や企画内容に応じて柔軟に制作チームが組まれていた様子がうかがえます。音楽を担当した前田憲男は、当時日本のジャズ・フュージョン界で活躍しており、歌謡番組においても質の高い音楽を提供していたと考えられます。

この番組に関する情報は、放送当時の新聞の番組表などから確認することができます。例えば、1976年9月6日から1976年10月1日付の『産経新聞』のラジオ・テレビ欄などが、番組の存在や放送期間、時間といった基本情報を裏付ける典拠となります。資料が限られているため、番組内容の詳細や出演者リストなどを網羅的に把握することは難しいものの、『お昼のスペシャル』枠の歴史を語る上で、短期間ではありながらも重要な位置を占める番組であったと言えるでしょう。

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