秋の気配

秋の気配 / 恋人よ そのままで

「秋の気配 / 恋人よ そのままで」は、1977年8月5日にリリースされたオフコースの通算11枚目のシングルです。このシングルは、オフコースの音楽的な方向性を決定づけた重要な作品として知られています。

解説

両A面シングルである本作は、「秋の気配」と「恋人よ そのままで」の2曲を収録しています。どちらの楽曲も、アルバム『JUNKTION』からの先行シングルとしてリリースされ、アルバム収録曲と同内容となっています。また、このシングルから、グループ名のカナ表記が「オフ・コース」から「オフコース」へと変更されました。

秋の気配

「秋の気配」は、都会的な男女の別れをテーマにした楽曲で、小田和正が作詞・作曲を手がけました。歌詞は、別れを決意した男性の心情を、横浜の風景を背景に繊細に描いています。小田自身は、この曲の歌詞について「女にふられたみたいな経験がなかったから書けた」と語っており、傲慢ともとれる男性の心理を表現できたのは、そうした経験がなかったからだと述べています。

この曲は、ベスト・アルバム『SELECTION 1973-78』に、イントロとアウトロのストリングスが強調されたミックスで収録されています。また、小田和正は後にアルバム『LOOKING BACK』でこの曲をセルフカバーしています。

歌詞に登場する「港が見下ろせるこだかい公園」は、横浜港の見える丘公園がモチーフになっていると言われています。

恋人よ そのままで

「恋人よ そのままで」は、鈴木康博が作詞・作曲を手がけた楽曲で、アルバム『FORWARD』にて鈴木自身もセルフカバーしています。

レコーディング秘話

ベーシストの清水仁は、「秋の気配」のレコーディングについて、以前所属していたバンド「バッド・ボーイズ」時代とのレコーディング方法の違いに苦労したと語っています。オフコースでは、コードのみが決まっていて、アレンジはスタジオでメンバーと共同で行うというスタイルだったため、清水は戸惑いを隠せませんでした。しかし、このレコーディングを通して、オフコースの一員として認められたと感じたと述べています。

収録曲

SIDE A

1. 秋の気配

作詞・作曲：小田和正、編曲：オフコース、ストリングス編曲：小田和正

SIDE B

1. 恋人よ そのままで

作詞・作曲：鈴木康博、編曲：オフコース

評価と影響

「秋の気配」は、オフコースの代表曲の一つとして、現在でも多くのファンに愛されています。都会的なメロディーと、別れ際の男女の心情をリアルに描いた歌詞は、J-POPのスタンダードとして、後世のミュージシャンにも大きな影響を与えました。

このシングルは、オフコースの音楽性を確立し、彼らが日本の音楽シーンを代表するグループへと成長するきっかけとなった重要な作品と言えるでしょう。

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