秋吉台国定公園

秋吉台国定公園は、山口県中央部に位置する美祢市に広がる、カルスト台地である秋吉台（狭義）を中心とした国定公園です。この公園は、秋吉台という特異な地形の上に成立しており、その指定地域内には、秋芳洞をはじめとする約200もの洞窟（鍾乳洞）が存在します。1955年（昭和30年）11月1日に国定公園として指定されました。公園の面積は45.02平方キロメートルと、上級公園としては比較的狭い範囲となっています。

カルスト台地とは、石灰岩などの水に溶けやすい岩石で構成された地域が、雨水や地下水によって侵食されて形成された特殊な地形です。秋吉台は、このカルスト地形の典型的な例であり、その独特な景観は多くの人々を魅了しています。台地の上には、無数のドリーネ（すり鉢状の凹地）や、石灰岩が露出したカレンフェルトなどが広がっています。

公園内には、数多くの洞窟があり、中でも秋芳洞は特別天然記念物に指定されています。秋芳洞は、日本でも有数の規模を誇る鍾乳洞で、その内部には、様々な形状の鍾乳石や石筍が形成されており、訪れる人々を魅了してやみません。また、秋芳洞以外にも、景清洞、大正洞、中尾洞といった天然記念物に指定された洞窟が点在しており、それぞれの洞窟が独自の景観を持っています。

秋吉台国定公園の指定地内、12.69平方キロメートルは、特別天然記念物にも指定されており、この地域は特にその自然環境と景観が保護されています。この地域では、カルスト地形と洞窟が織りなす、独特で貴重な自然景観を観察することができます。

秋吉台国定公園は、その特異な地形と豊かな自然環境から、学術的にも貴重な場所であり、多くの研究者や観光客が訪れています。また、公園内には、遊歩道や展望台などが整備されており、訪れる人々は、気軽に自然を満喫することができます。秋吉台国定公園は、カルスト地形が作り出した壮大な自然と、その中に存在する多様な洞窟群が魅力の国定公園です。訪れる際には、自然を大切にし、ルールを守って楽しむことが大切です。

関連項目
秋吉台
秋芳洞
* カルスト地形

もう一度検索