秋月 (駆逐艦)

秋月（あきづき）

秋月は、大日本帝国海軍に属した駆逐艦であり、秋月型一等駆逐艦の最初の艦船として1939年に建造が開始されました。艦名の由来は季節の「秋」と「月」であり、艦は特に防空能力に秀でた設計でした。

建造と艦歴

建造は舞鶴工廠で行われ、起工は1940年の7月30日で、正式に「秋月」と命名されたのは翌年の5月15日でした。その後、同年7月2日に進水し、9月12日には『昭和17年度海軍戦時編制』に基づいて、第25駆逐隊の一員として編成される予定でしたが、太平洋戦争の開幕によりこれが実現することはありませんでした。

1942年3月に艤装員長として金岡国三中佐が任命され、その後、5月20日に初代艦長として古賀彌周次中佐が就任しました。しかし、艦の完成が遅れ、最初の実戦はミッドウェー海戦の直前に行われました。

秋月は、1942年6月11日に竣工し、その直後に実戦配備されました。すぐに駆逐艦「朧」と共に空母「瑞鶴」の護衛に任じられました。これは英米艦隊の攻撃によって南雲機動部隊が壊滅的な状況に陥る中での重要任務でした。

ガダルカナル島の戦い

秋月はその後、ガダルカナル島を巡る戦いに参加し、1942年8月にはニューアイルランド島への護衛任務を遂行しました。そして、第二次ソロモン海戦では、機動部隊に合流して戦闘を行いましたが、この際、日本海軍は敗北を喫しました。

9月29日から10月8日までの間、ガダルカナル島への物資補給作戦に従事し、その際にアメリカ軍のB-17爆撃機への迎撃も行いました。特に、秋月は一機を撃墜した記録があります。

1943年以降の活躍

1943年には、再編成された第十戦隊の最前線に配置され、引き続きガダルカナルと周辺地域での輸送任務や警戒任務を担いました。その後32名が戦死する大損害を受けるものの、艦の運用は続けられました。

1944年には軽巡洋艦「阿賀野」の旗艦として再び主要艦隊へ配置され、マリアナ沖海戦に参加しました。海戦ではアメリカ艦隊との接触があり、秋月自身も戦闘に必死に対応しました。

迫る運命

1944年10月、「捷一号作戦」の準備中、秋月はエンガノ岬沖海戦に臨みましたが、激しい空襲を受け、艦は中央部に大きな被害を受けました。その後、艦は二つに分断され沈没しました。この戦闘で183名の乗員が命を落とし、生存者は駆逐艦「槇」に救助されました。

秋月の沈没は、艦と乗員の壮絶な戦歴を象徴するものであり、艦名は戦後も護衛艦として引き継がれることになります。秋月の歴史は、日本海軍の激闘の日々とその中での防空任務の重要さを物語っています。

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