秋田市立千秋美術館

秋田市立千秋美術館：秋田の美術を彩る拠点

秋田市立千秋美術館は、秋田市の中心部にある公立美術館です。秋田総合生活文化会館・[[美術館]]（アトリオン）内に位置し、1989年（平成元年）に開館しました。その歴史は、1958年（昭和33年）開館の秋田市美術館に遡り、幾多の変遷を経て現在の姿へと至っています。

当初は所蔵作品を持たずに、借用作品による企画展を開催していましたが、その後、県内屈指のコレクターであった奈良磐松氏からの寄贈を機に、秋田蘭画を中心としたコレクションを形成。以降、作家や個人コレクターからの寄贈により、コレクションを着実に充実させてきました。

特に、平成元年の秋田市制施行100周年を記念して、岡田謙三夫人から多数の作品が寄贈されたことが大きな転機となりました。この寄贈を契機に、現在の場所に移転し、都市型美術館として再スタートを切ったのです。

美術館の収蔵方針とコレクション

秋田市立千秋美術館の収蔵方針は、大きく分けて4つあります。

1. 秋田蘭画とその関連資料：秋田を代表する絵画様式である秋田蘭画とその関連資料を重点的に収集しています。小田野直武や佐竹曙山といった巨匠の作品が多数所蔵されています。
2. 秋田ゆかりの作家の作品：秋田にゆかりのある作家の作品を幅広く収集しています。日本画、洋画、写真など、多様な表現形式の作品が収蔵されています。
3. 岡田謙三と関連資料：現代美術家、岡田謙三の作品を多数所蔵しており、その作品世界を深く理解するための重要な資料も収集しています。
4. その他、国内外の優れた作品：上記の3点に加え、国内外の優れた美術作品も収集することで、コレクションの幅を広げています。

2001年時点での所蔵作品数は2122点に及びました。その後、一部作品は秋田市立赤れんが郷土館などに所管換えされています。また、秋田藩関係史料は秋田市立佐竹史料館に移管されています。

美術館の施設と活動

アトリオンビルの2階と3階に位置する美術館は、岡田謙三記念館を併設しています。一般公開されている図書室や、企画展に関連した講演会なども開催するなど、地域住民への普及活動にも力を入れています。1階にはロビー、チケット売り場、ミュージアムショップが設けられています。

2022年6月より大規模改修工事が行われ、2024年6月29日にリニューアルオープンしました。リニューアルオープンに伴い、秋田蘭画の常設展示がスタートしました。

主な収蔵品

美術館は、質の高いコレクションを誇ります。

岡田謙三作品: 秋田市制100周年と美術館開館を記念して、夫人から95点の作品が寄贈されました。購入作品を含め、100点以上を所蔵し、常時20～30点を展示しています。代表作には、『室内』(1936年)、『子孫』(1959年)、『黒と銀』(1965-66年)、『青』(1971年)などがあります。

秋田蘭画: 小田野直武の『児童愛犬図』、佐竹曙山の『蘭画写生帖』『湖山風景図』など、貴重な作品を収蔵しています。

日本画・洋画・写真: 平福百穂、寺崎廣業、高橋萬年、谷文晁、福田豊四郎といった日本画家や、小西正太郎、紺野五郎、田口省吾、金沢秀之助といった洋画家、そして木村伊兵衛、大野源二郎、岩田幸助といった写真家などの作品も所蔵しています。

アクセス情報

所在地：秋田県秋田市中通二丁目3-8
開館時間：10:00～18:00
休館日：年末年始
観覧料：一般310円、大学生210円、高校生以下無料など
アクセス：JR秋田駅西口から徒歩約5分

秋田市立千秋美術館は、秋田の美術文化を深く理解し、楽しむことができる貴重な場所です。秋田を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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