秋田日本電気

秋田日本電気株式会社：液晶ディスプレイ産業を支えた秋田の企業

秋田日本電気株式会社は、NECグループの一員として、秋田県秋田市に本社を置くTFTカラー液晶ディスプレイの製造を担っていた企業です。1981年6月、山形日本電気の子会社として設立され、1983年4月の操業開始から、日本のエレクトロニクス産業の発展に貢献しました。

当初は半導体製造からスタートしましたが、1994年10月には液晶モジュールの生産を開始。その後、1995年5月にはTFTカラー液晶ディスプレイの量産工場が竣工し、本格的に液晶ディスプレイの生産へとシフトしていきました。生産された高品質な液晶ディスプレイは、ノートパソコン、DVDプレーヤー、携帯電話、カーナビゲーションシステムなど、多様なマルチメディア製品に搭載され、人々の生活を豊かに彩る役割を果たしました。

秋田日本電気株式会社は、品質管理システムの国際規格であるISO9000シリーズの認証を積極的に取得し、品質向上に努めました。1996年2月にはISO9002、2003年3月にはISO9001：2000認証を取得。また、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001認証も1997年10月に取得し、環境保全にも配慮した企業活動を展開していました。

2003年4月、NECの会社分割に伴い、NEC液晶テクノロジーの子会社となりました。その後、2007年4月にはNEC液晶テクノロジーに統合され、NEC液晶テクノロジー秋田工場となりました。2009年にはNEC液晶テクノロジーの鹿児島工場が閉鎖されたことにより、同社の生産拠点は秋田工場に集約されました。

その後も、同社は発展を続け、2005年2月にはカラー液晶ディスプレイの累計生産台数が1000万台を突破するなど、大きな成果を収めました。数々の技術革新や生産性向上への取り組みは、日本の液晶ディスプレイ産業の進歩に大きく貢献しました。

2011年7月には商号変更によりNLTテクノロジー秋田工場となり、2017年7月にはTianma Japan秋田工場へと商号変更されました。現在もTianma Japan秋田工場として、液晶ディスプレイの生産拠点として操業を続けています。

秋田日本電気株式会社の歴史は、日本のエレクトロニクス産業、特に液晶ディスプレイ産業における技術革新と発展の歴史を物語っています。設立から現在まで、数々の困難を乗り越え、時代の変化に対応しながら、常に高品質な製品を提供し続けてきました。その貢献は、日本の産業発展に大きく寄与したと言えるでしょう。秋田の地に根付き、長きにわたって地域経済に貢献してきた同社の歩みは、今後の地域産業の発展にも大きな示唆を与えてくれるでしょう。

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