秋田犬保存会

公益社団法人秋田犬保存会について

公益社団法人秋田犬保存会（通称：秋保）は、天然記念物である秋田犬の保護、繁殖、およびその犬種としての本質を維持することを目的とした団体です。1927年に設立され、長年にわたり秋田犬の保存と普及に尽力してきました。秋田犬の純粋な血統を守り、その犬種としての魅力を国内外に広めるために、さまざまな活動を行っています。

組織と目的

秋田犬保存会は、秋田犬の保護（種の保存）、繁殖、および体型の固定化と諸要素の向上を目指しています。これらの活動を通じて、秋田犬による日本文化の発展に貢献するとともに、世界の犬種として海外にも発展させることを目的としています。

主な事業

秋田犬保存会は、以下の事業を中心に活動しています。

展覧会の開催: 秋田犬の健全な育成を促進するため、年数回の展覧会を開催しています。
普及・啓発活動: 秋田犬に関する知識を広め、その魅力を伝えるための活動を行っています。
審査員の人材育成: 秋田犬の審査を行う専門家を育成しています。
犬籍登録と血統書の発行: 秋田犬の血統を管理し、犬籍登録や血統書の発行を行っています。
各種物品の販売: 秋田犬に関するオリジナルグッズなどを販売しています。
会員の研修と募集: 会員の知識向上や交流を目的とした研修や、新たな会員の募集を行っています。
その他: 上記以外にも、秋田犬の保存と普及に必要なさまざまな事業を行っています。

支部

秋田犬保存会は、日本国内に51の支部を持ち、東北北海道、関東、関東中央、東海北陸、関西、中国四国、中国瀬戸内、九州の8つの総支部を設置しています。海外にも米国、台湾、イタリア、中国、ロシア、ウクライナに支部があり、グローバルな活動を展開しています。

歴史

秋田犬は、明治時代後期から始まった闘犬ブームの影響で、他犬種との交配が進み、純粋な秋田犬が絶滅の危機に瀕しました。この危機を救うため、1927年に秋田犬保存会が設立され、1954年には秋田犬保存協会と統合され、現在の組織となりました。

設立と活動

秋田犬保存会設立: 1927年5月、当時の大館町長である泉茂家によって設立されました。1931年には国内犬種初の天然記念物指定を受け、1934年頃から犬籍登録を開始しました。1938年には秋田犬標準を制定しています。
秋田犬保存協会設立: 1936年には、秋田県全体の組織として秋田犬保存協会が設立されました。太平洋戦争中には軍用犬としてシェパードとの交配が行われましたが、戦後、残った秋田犬を元に血統回復活動が再開されました。

公益社団法人化

1953年5月に社団法人組織に移行し、1954年に秋田犬保存会と秋田犬保存協会が一本化されました。2015年5月には公益社団法人に移行し、より公共性の高い団体として活動しています。

展覧会

秋田犬保存会は、年1、2回の支部展、春季・秋季の年2回の総支部展、および本部展を開催しています。展覧会では、体高、毛色、骨格など約70の評価項目に基づいて、個体審査と比較審査が行われます。春季本部展は、毎年5月3日に秋田県大館市の桂城公園で開催され、全国から約200頭の秋田犬が集まり、その美しさを競い合います。

出陳資格

秋田犬保存会の会員であり、登録犬であることが必要です。参加には事前の申し込みが必要です。

出陳区分

出陳区分は、性別ごとに以下の4部門（本部展では6部門）に分かれています。

幼犬の部: 6か月以上10か月未満（本部展では(A)8か月以上、(B)8か月未満）
若犬の部: 10か月以上18か月未満
壮犬の部: 18か月以上30か月未満
成犬の部: 30か月以上（本部展では(A)48か月以上、(B)48か月未満）

秋田犬会館

1977年、保存会創立50周年を記念して桂城公園近くに設立された秋田犬会館は、秋田犬に関するさまざまな資料を展示する施設です。1階は本部事務所とグッズ販売コーナー、2階は会議室、3階は秋田犬博物室となっています。博物室には、骨格標本、工芸作品、パノラマ展示など、秋田犬に関する幅広い資料が展示されています。館外の犬舎では、会員の秋田犬を実際に見ることができます。

開館時間: 9:00 - 16:00（8月13日午後、年末年始は休館）
料金: 大人200円、小人100円（30名以上は団体割引あり）

アクセス

バス: 大館市役所前・風呂屋町バス停から徒歩5〜8分。
鉄道: JR大館駅から路線バス、または循環バス「ハチ公号」で大館市役所前下車。東大館駅から徒歩15分。
飛行機: 大館能代空港からリムジンバスで大館市役所前（降車）/風呂屋町（乗車）。

株式会社Meta Akita

2022年8月には関連会社として株式会社Meta Akitaが設立され、Web3技術を活用した秋田犬のデジタルコミュニティの創造にも積極的に取り組んでいます。同年10月には秋田県初の秋田犬NFTを発行し、12月には琉球アスティーダとの戦略的パートナーシップ締結を発表しました。

その他の情報

関連項目: 日本犬保存会、忠犬ハチ公
外部リンク: 公式ウェブサイト、Instagram、Facebook、YouTubeチャンネルなど

秋田犬保存会は、秋田犬の保護と普及のため、幅広い活動を続けています。その活動は国内にとどまらず、海外にも広がりを見せています。秋田犬の魅力を未来に繋げるため、これからもその活動に注目が集まります。

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