秋霜 (駆逐艦)

秋霜（あきしも）

秋霜は、日本海軍が運用した駆逐艦で、夕雲型駆逐艦の18番艦に該当します。1944年3月に藤永田造船所で竣工し、主に太平洋戦争の終盤において活躍しました。まず、第十一水雷戦隊に所属し、内海西部での訓練に従事。その後、第一機動艦隊に加わり、重要な軍事作戦に参加しました。

艦の経歴

秋霜は1944年3月11日に竣工し、当初は訓練任務に従事していました。5月には第一機動艦隊に編入され、護衛任務を遂行しながら、タウイタウイ泊地やダバオへと進出しました。この時期、姉妹艦である風雲が米潜水艦に撃沈され、秋霜はその生存者を受け入れるという悲劇的な出来事も経験しました。

6月中旬にはマリアナ沖海戦に参加し、艦隊の一部として敵空母の攻撃から仲間を救助したりもしました。7月にはシンガポールに進出し、その後リンガ泊地で訓練を続けました。8月には新たに編成された第2駆逐隊に所属し、遊撃部隊とともに訓練を重ねました。

レイテ沖海戦

秋霜は1944年10月、捷一号作戦に伴い、レイテ沖海戦に参加しました。この戦闘では、栗田艦隊として知られる部隊の一翼を担い、様々な戦闘に従事しました。特に10月23日、栗田艦隊は米潜水艦の攻撃を受け、多くの艦艇が沈められる中、秋霜は姉妹艦摩耶の生存者を救助しました。しかし、艦は非常に過密状態となり、操船に支障が生じるほどの状況でした。

次の日の10月24日、秋霜は島風との衝突を経て、戦闘に参加。しかし、味方の艦艇が次々と攻撃を受けて損傷し、秋霜も数回の空襲にさらされました。特に25日の戦闘では、再び空襲を受け、姉妹艦早霜が損傷。また、艦の衝突によるダメージも影響し、艦長は艦を守るために必死の思いで指揮を続けました。

沈没

10月26日、秋霜は空襲を受けた軽巡洋艦能代の救助に向かい、乗員300名以上を救助する任務を果たします。しかし、その後、10月30日にはマニラに帰投し、修理作業を行っていた際、再び大規模な空襲に見舞われ、艦は撃沈されました。この攻撃により、艦首部分が大きな損傷を受け、最終的に沈没が決定的となりました。

最終的に、秋霜は1944年11月13日にマニラで沈没。これにより、多くの艦員が命を落とし、秋霜の生涯は終わりを迎えました。艦の歴史は、戦争の激しさと艦艇の運命の脆さを物語るものとなっています。特に、彼女の活動の多くは救助任務や仲間を護るための戦いが印象的です。

歴代艦長

秋霜の艦長は、平山敏夫少佐と中尾小太郎少佐が務めました。いずれも艦の運命を担い、激しい戦局の中で艦を指揮しました。

結論

秋霜は太平洋戦争における日本海軍駆逐艦の一翼を担い、多くの戦闘に参戦した艦でした。彼女の戦歴は、艦艇の闘志と乗組員の勇気を象徴するものであり、日本海軍の歴史に刻まれることとなりました。

もう一度検索