秩父橋

秩父橋：歴史と景観が織りなす美

秩父橋は、埼玉県秩父市阿保町と同寺尾の間、荒川に架かる国道299号および埼玉県道44号秩父児玉線の道路橋です。その歴史は古く、秩父地方における主要な交通路として重要な役割を果たしてきました。

三代にわたる橋の変遷

現在、国道299号が通る橋は1985年に竣工した3代目で、埼玉県初の斜張橋として知られています。その下流には、2代目の橋が「旧秩父橋」として現存し、その姿を今に伝えています。

初代：木鉄混合プラットトラス橋（1885年）

秩父新道の一部として建設された初代の橋は、木材と鉄を組み合わせた珍しい構造でした。秩父事件で財政が逼迫する中、当時の最新技術を駆使して建設されました。現在、橋脚の一部が遺構として残る他、左岸側の「秩父橋ポケットパーク」には親柱が保存されています。

2代目：RC上路開腹拱橋（1931年）

戦前に建設された2代目の橋は、コンクリート製の美しいアーチ橋でした。3代目の橋の完成後も、その美しい姿から保存運動が起こり、現在は橋上公園として整備されています。埼玉県指定有形文化財にも指定されており、土木学会の「近代土木遺産2800選」にも選ばれています。

3代目：斜張橋（1985年）

現在の秩父橋は、老朽化した旧橋の代替として建設されました。埼玉県初の斜張橋であり、その美しい景観は多くの人々を魅了しています。橋の設計には最新の技術が用いられ、風洞試験なども実施されました。土木学会田中賞を受賞しており、橋詰のポケットパークには記念碑が建てられています。

橋の構造

3代目の秩父橋は、橋長153.153メートル、総幅員11.5メートルの1径間斜張橋です。高さ40メートルの逆Y字型主塔から伸びるケーブルが、橋桁を支える特徴的な構造をしています。非対称な外観も特徴的で、定期的な点検により安全が維持されています。

周辺情報

秩父橋周辺は、豊かな自然に囲まれています。橋の袂には「秩父橋ポケットパーク」があり、橋の歴史や構造について学ぶことができます。また、周辺には秩父札所やその他の観光スポットも点在しており、秩父観光の拠点としても最適です。

大野原駅：秩父鉄道の駅。
飛渕山龍石寺：秩父札所19番。
法王山岩之上堂：秩父札所20番。
埼玉県立秩父農工科学高等学校
秩父市立秩父第一中学校
秩父市立尾田蒔中学校
秩父市立尾田蒔小学校

秩父橋とアニメ聖地巡礼

秩父橋は、人気アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の舞台としても知られています。アニメのキービジュアルにも登場し、多くのファンが聖地巡礼に訪れています。

近隣の橋

荒川にかかる秩父橋の近隣には、以下の橋があります。

上流：秩父公園橋、武之鼻橋
* 下流：和銅大橋、新皆野橋

秩父橋は、その美しい景観と歴史的背景から、多くの人々に愛される橋です。秩父を訪れる際には、ぜひ一度足を運んでみてください。

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