秩父鉄道トキ500形貨車

秩父鉄道トキ500形貨車は、1968年（昭和43年）に日立製作所で製造された36トン積みのボギー式無蓋貨車です。国鉄（日本国有鉄道）のトキ25000形と同設計であり、15両（トキ501 - トキ515）が製造されました。

概要

製造当初、アオリ戸にはプレス鋼板が使用されていましたが、1978年（昭和53年）9月に平鋼板に交換されました。

1982年（昭和57年）3月には、トキ504, トキ505, トキ508, トキ514, トキ515の5両が関東鉄道へ譲渡され、常総線の複線化工事に使用されました。残りの10両は、蘇我の川崎製鉄千葉製鉄所（現在のJFEスチール東日本製鉄所）への石灰石輸送に用いられました。しかし、1984年（昭和59年）のダイヤ改正による国鉄の貨物取り扱い縮小方針を受け、トキ506, トキ512を除く車両が廃車となりました。

現状

現在、トキ506とトキ512の2両は、災害時の土砂運搬用として車籍が残っており、通常は広瀬川原駅（熊谷工場）に留置されています。かつてはトキ502が三峰口駅構内にあった秩父鉄道車両公園で静態保存されていましたが、2019年4月の閉園に伴い解体・撤去されました。

関東鉄道への譲渡車

関東鉄道へ譲渡された車両は、トキ251 - トキ255となり、トキ250形として運用されました。複線化工事の終了後、トキ252とトキ253を除く全車が廃車となりました。残った2両は事業用に使用されましたが、1996年（平成8年）に廃車となっています。

保存車両（過去）

* トキ502 - 埼玉県秩父市 秩父鉄道車両公園（2019年4月に解体撤去）

トキ500形は、昭和から平成にかけて、秩父鉄道の貨物輸送を支えた車両であり、その一部は関東鉄道でも活躍しました。現在は災害対策用として細々とその姿を残すのみとなっています。

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