移動介護従事者

移動介護従業者（ガイドヘルパー）とは

移動介護従業者、通称ガイドヘルパーは、障がいを持つ方の外出をサポートする専門職です。以前は外出介護員と呼ばれていましたが、制度改正を経て現在の名称になりました。主な役割は、視覚障がい、全身性障がい、知的障がいを持つ方の移動を支援し、社会参加や日常生活を円滑にすることです。

資格と研修

ガイドヘルパーとして働くには、都道府県知事が行う研修を修了する必要があります。ただし、移動支援従事者の要件は市町村によって異なり、研修が必須ではない場合もあります。一般的には、介護福祉士や訪問介護員（ホームヘルパー）の資格を持っていると有利ですが、地域によってはこれらの資格がなくても従事できることがあります。特に、知的障がい者の外出介助は、介護職員初任者研修やホームヘルパー2級以上の資格で可能ですが、視覚障がいや全身性障がい者の介助には、専門の研修修了が必須です。

研修内容は、視覚障がい者、全身性障がい者、知的障がい者それぞれの特性に合わせた知識と技術を学ぶもので、講義と演習で構成されます。講義では、ホームヘルプサービスに関する知識、ガイドヘルパーの制度と業務、障がい者福祉の制度とサービス、障がいや疾病の理解、障がい者の心理などを学びます。演習では、移動介護の基本技術、屋内外での移動介助、応用技術などを習得します。

サービス内容

ガイドヘルパーは、以下のような人々の外出を補助します。

視覚障がい者移動介護従業者: 視覚に障がいを持つ方の外出をサポートします。
全身性障がい者移動介護従業者: 全身性の障がいを持つ方の外出をサポートします。
知的障がい者移動介護従業者: 知的障がいを持つ方の外出をサポートします。

各市町村の実施状況

大阪市

大阪市では、社会生活上必要不可欠な外出や余暇活動、社会参加のための外出支援、大学修学支援を対象としています。

対象者:
重度の盲ろう者(児)
知的障がい者(児)
精神障がい者(児)
施設入所している全身性障がい者
重度の全身性障がい者(児)
大学修学支援が必要な在宅の重度障がい者

サービス内容:
社会生活上必要な外出支援
大学修学支援

サービス時間数:
障がい者：月51時間以内
障がい児（小学校5年生～18歳未満）：月24時間以内
障がい児（小学校4年生まで）：月12時間以内
障がい児（夏休み等長期休暇）：月30時間以内

サービス単価:
30分あたり940円
1時間あたり1880円

サービス負担額:
市町村民税課税者等：3000円/月
市町村民税非課税者等：0円/月

従事資格:
移動支援従事者養成研修（3日間）修了

サービス上の制約:
飲酒を伴う外出、社会通念上不適当な外出、政治・宗教活動、犯罪、通勤・通学は不可
カラオケ、食事、プール、スーパー銭湯、旅行などは可能

東大阪市

東大阪市では、社会生活上必要不可欠な外出や余暇活動、社会参加のための外出支援を対象としています。2人派遣も可能で、利用者の身体状況や行動により、1人での支援が困難な場合に適用されます。

対象者:
重度の盲ろう者(児)
知的障がい者(児)
精神障がい者(児)
施設入所している全身性障がい者
重度の全身性障がい者(児)
難病患者

サービス内容:
社会生活上必要な外出支援
2人派遣

サービス区分:
個別支援型：障害者・児の個別への移動支援
グループ支援型：2人以上のグループへの移動支援

サービス上の制約:
保健医療機関への受診（入退院時、見舞いは可）、社会通念上不適当な外出、移動支援を提供する法人が主催する活動への参加、政治・宗教活動、犯罪、通勤・通学、営業活動は不可
カラオケ、食事、プール、スーパー銭湯などは可能

業界団体

知的ガイドヘルパー研究会【ガイヘル研】が、大阪市内を中心に定期的に勉強会などを開催しています。

関連職種

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、社会福祉主事など、福祉関連の様々な職種と連携して、障がい者の生活をサポートしています。

まとめ

移動介護従業者（ガイドヘルパー）は、障がいを持つ方が地域で安心して生活するために欠かせない存在です。専門的な知識と技術をもって、外出を支援し、社会参加を促進しています。地域によってサービス内容や要件が異なるため、利用を希望する場合は、各自治体への問い合わせが必要です。

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