稲葉まつ子

稲葉まつ子：多彩な才能で魅せる女優、声優

稲葉まつ子（いなば まつこ）は、1930年3月29日生まれ、静岡県出身の日本の女優、声優です。1960年代から2000年代にかけて、舞台、テレビドラマ、アニメ、吹き替えと幅広い分野で活躍しました。

劇団での活動と独立

静岡県伊東高等女学校専攻科を卒業後、1951年に劇団ぶどうの会に入団し、舞台女優としてのキャリアをスタートさせました。1960年には同劇団を脱退し、島宇志夫、磯村千花子らと共に劇団造形を設立。劇団造形では、数々の舞台作品に出演し、その演技力を磨きました。1962年には鈴木事務所にも所属していたことが確認されています。1969年に劇団造形が解散した後は、フリーランス期間を経て、エヌ・エー・シー、同人舎プロダクションに所属しました。

幅広い分野での活躍

テレビドラマでは、1961年の『おかあさん』を皮切りに、『女の盛装』、『かあさんの小道』、『特別機動捜査隊』など数多くの作品に出演。時代劇から現代劇まで、幅広い役柄を演じ分けました。舞台では、劇団ぶどうの会時代から劇団造形時代にかけて、『三角帽子』、『蛙昇天』、『風浪』、『赤い陣羽織』、『牝山羊ヶ島の犯罪』など、様々な作品に出演しました。

アニメ声優としては、『佐武と市捕物控』、『あらいぐまラスカル』、『炎のアルペンローゼ ジュディ&ランディ』、『ドラえもん』など、子供から大人まで幅広い世代に親しまれる作品で声の出演をしています。

吹き替えでの卓越した才能

特に、吹き替えの分野では、数多くの海外作品で、その卓越した表現力と声の演技で、多くのファンを魅了しました。『愛と喝采の日々』、『風と共に去りぬ』、『ガラスの動物園』、『吸血鬼ドラキュラの花嫁』、『オズの魔法使』など、数々の名作で、重要な役柄を演じ、作品に深みとリアリティを与えました。

人物像

趣味は書道、ヨーガ、仕舞と、多彩な趣味をお持ちで、その豊かな感性が、彼女の幅広い演技力にも繋がっていると考えられます。

代表的な出演作品

テレビドラマ
おかあさん（1961年、TBS）
女の盛装（1966年、フジテレビ）
鬼平犯科帳（1970年、テレビ朝日）
火曜日の女シリーズ 蒼いけものたち（1970年、フジテレビ）

舞台
三角帽子（1952年、ぶどうの会）
牝山羊ヶ島の犯罪（1961年、劇団造形）
アンドロマック（1966年、劇団造形）

テレビアニメ
佐武と市捕物控（1968年）
あらいぐまラスカル（1977年）
炎のアルペンローゼ ジュディ&ランディ（1985年）
ドラえもん（2004年、テレビ朝日版第1期）

吹き替え
愛と喝采の日々（1978年）
風と共に去りぬ（ソフト版、日本テレビ新録版、テレビ東京版）
ガラスの動物園（1971年）
吸血鬼ドラキュラの花嫁（1970年）
オズの魔法使（1974年）
* エバー・アフター（1999年）



稲葉まつ子は、その幅広い演技力と卓越した表現力で、舞台、テレビ、アニメ、吹き替えと多岐にわたり活躍し、多くの人々に感動と喜びを与えた名女優、声優として、その名を歴史に刻んでいます。

もう一度検索