稲葉通宗

稲葉 通宗について

稲葉 通宗（いなば みちむね、1902年7月20日 - 1986年11月3日）は、日本の海軍軍人として知られる重要人物です。彼は、伊6潜水艦の艦長を務め、空母サラトガに対する雷撃で戦線に4ヵ月以上の損害を与えたことで名を馳せました。最終階級は海軍大佐でした。

生い立ちと海軍でのキャリア

愛知県に生まれた稲葉は、海軍兵学校に進み、第51期生として知られる一群の中で訓練を受けました。この期は、アメリカとの軍縮条約の影響を受けて入学者のうち40名が自主的に退校するという波乱の時期でしたが、稲葉は困難な状況を乗り越え、有名な練習艦隊で実務訓練を積むこととなります。彼は、その時期に著名な艦長や同級生と共に訓練を行い、海上でのスキルを磨いていきました。

潜水艦生活の始まり

1924年に少尉任官し、その後のキャリアの中で水上艦艇や潜水艦に勤務しました。1937年には、大尉である彼が初めて潜水艦の艦長に任命され、以降潜水艦部隊での活動を始めることになります。彼は、様々な潜水艦での指揮を経て、潜水戦において多くの経験を積みました。

1941年には伊6潜水艦の艦長に就任し、その駆逐艦としての役割を果たすこととなります。この潜水艦の主な任務は、アメリカ海軍艦艇との接触およびその攻撃でした。

太平洋戦争での実績

太平洋戦争の初期、彼は伊6潜水艦での駆逐艦任務を遂行し、特にレキシントン型空母に対する攻撃が彼のキャリアの中でも特筆すべきものでした。1942年1月、稲葉は空母を発見し、魚雷を発射。その結果、サラトガは大損害を受け戦線から離脱しました。この戦果は潜水艦の乗員たちにとって大きな励みとなり、その後、有名な小説『海底戦記』のモデルとなります。

その後の経歴

戦争が進むにつれ、稲葉は様々な潜水艦の艦長や艤装員長を歴任し、多くの任務を遂行していきました。しかし、戦況の厳しさや被害の増加とともに、彼らの任務はますます危険なものとなっていきました。稲葉自身も過酷な条件の中での任務を担っていったのです。

1944年2月、彼は転任命令を受け、その後は潜水艦乗員の訓練に関わることとなり、終戦を佐世保で迎えました。戦後は外務省での役職を経て、商業に従事しつつ、軍歴を活かした活動を行いました。

1980年には、稲葉の体験を基にした著書『海底十一万浬』を刊行し、自身の歩みを振り返りました。彼の人生は、激動の時代における海軍の一部としての経験や、海戦における戦略の重要性を物語っています。

まとめ

稲葉通宗は、そのキャリアを通じて多くの試練と栄誉を経験しました。サラトガへの攻撃もその一環であり、彼の名は日本海軍の歴史に刻まれています。彼の功績は、今でも多くの人々に語り継がれており、その影響は戦後の海軍作戦にも及んでいます。

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